2009年5月4日月曜日

いい仕事してますが・・・


今年の連休は、カネにならない頼まれ仕事があってどこにも出れない日々が続いているのだが、その合間を縫って東京プリンスホテルで開催されている『ザ・美術骨董ショー』を覗いてきた。
美術骨董といっても、自分が蒐集の趣味があるわけでもなく、たまにテレビの「鑑定団」を見る程度の興味しかなかったのだが、わが社の隣に店を構える『Retreat』の店主WTさんから案内状をいただいていたので冷やかし半分に出向いたのである。
『Retreat』も立ち飲み屋の『明治屋2nd』同様に、わが社とほぼ時を同じくしてご近所に開店したマイセンを中心とした高級西洋陶磁器を販売している骨董品店である。店主のWTさんも脱サラ起業組というよしみで最近親しくさせていただいている。

会場はホテルの大宴会場に大小のブースが150店ほど設置されていて、日本の焼き物、書画を中心に西洋アンティークや古銭、などバラエティに富んだ骨董品が展示即売されている。
実は、死んだ親父が“へたな骨董好き”で、生前よく自慢していた一見ガラクタにしか見えない焼き物や根付、懐中時計とかいう類のモノが結構遺されているので、少しは価値があるものかないものか視察もかねて値札をひっくり返して歩いたのだが、素人目には正直よくわからなかった。

隣に店があるのに、あまり商品を拝見させていただいたことがなかったので『Retreat』の展示品も解説付きでジックリ拝見させていただいた。実際間近でポーセリンの逸品を見せていただくとやはり独特の魅力を放っていてついつい欲しくなってしまうものもあるのだが、値段はともかくも大枚はたいたところで飾る場所=器の問題がある。せこいマンションの拙宅のサイドボードでは飾っておいても気分がむなしくなるばかりだと思い、目の保養だけさせていただいた。写真は『Retreat』イチ押しのマイセンの壷だが、神々の結婚宴会に題を取った彫り物は遠近や筋肉の質感など本当に素晴らしい細工が施され素人目にも近世ドイツの職人芸の水準の高さがよくわかる。まさに中島誠之助氏いうところの“いい仕事してますね~”である。

しかしどの陶器もウン十万の値札がついていると、こういう趣味を持てる人がうらやましくなると同時にその素性を詮索したくなってくるのは貧乏人の僻みというものだろうか?
こういう趣味の世界はあまり好不況の波は関係ないと聞いていたが、WTさんが言うにはさすがに昨年に比べて人の出が少なくなっているそうで、昨年は最終日に上客が来店し大口の商売ができたたとホクホク顔だったけど“今年は出店費が出ない”と嘆息していた。
4日が最終日、僕は協力できなかったけど昨年のお客さんはまたきっと最終日に来ますよ、頑張ってください。

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