2020年9月2日水曜日

週間家呑み日記8.1~8.31



●8月1日
新宿でオーディオブックの収録。仕事帰りにビックロに立ちより、家呑み用のJAMSONを仕入れる。ビックカメラのポイントは本当にありがたい。まだ、後1~2本は行ける。アラン・パーカー監督の訃報、大好きだった『ザ・コミットメンツ』のサントラ聴きながら献杯。

●8月3日
この週から、高田馬場のスタジオに収録に出かける。朝、混んでいる山手線にわずか2駅だが乗らねばならないのがちょっと憂鬱。

●8月4日
日大ラグビー部の前コーチの暴力事件報道。以前わが母校青学大のヘッドコーチが日大からやってきたことがあったが1シーズンで解任されたっけ。学生を坊主刈りにしたり有力選手が退部したり、やはりこういう体質を受け継いだ指導者がチームを強くなんかできるはずがない。漫画家の桑田二郎氏の訃報。かつて拳銃不法所持とかで逮捕されたりしたけど子どもの頃「エイトマン』に夢中だったな、献杯。

●8月6日
75回目のヒロシマの原爆祈念日。私自身かつてヒロシマの原爆報道を取材してもうかれこれ37年もたってしまった。あの時でさえ記憶の風化が叫ばれていたのに、本当にいつまで語り継げることができるのか?ベイルートでとてつもない爆破事故発生。コロナ禍の下、経済が崩壊している国に追い打ちをかける事故。モーリシャスでは日本の貨物船が座礁して重油流失、どう責任とんねん。

●8月8日
以前、湯島で鯖尽くしの料理をごちそうになった居酒屋『あおもり屋』が池袋に移転したということで、前回行った仲間たちとあらためてリアル呑み会をすることに。まあ、夜の街で密が心配だったがたまには息抜きも無ければ。新規開店記念でお得なコース料理に舌鼓を打ち、青森の銘酒が半額とあって久々にポン酒をきこしめす。

●8月9日
長崎の平和祈念式典。アベの追悼文の中身の無さ、広島とのコピペ疑惑が出るほどの薄っぺらさ。同じ歳だけに世代的には仕方がない部分もあるかもしれんが、想像力に欠けること甚だしい、頭の中に被爆の実相など思いやるものは全くないのだろう。

●8月10日
香港の民主派活動家の周庭(アグネス・チョウ)と蘋果日報の黎智英(ジミー・ライ)が国家安全法違反容疑で逮捕。ついに中国の弾圧が本格化した。二人の今後が心配だが、あの好きだった香港がどんどんと変貌していくことにとてつもない焦燥と無念さを禁じえない。黎智英氏は、かつて台北で創刊した雑誌広告の仕事で彼が創業したジョルダーノ社から、御社の堅持する袖の下を取らない姿勢を評価するという手紙を受け取ったことがある。中華圏では珍しいブリティッシュ・ロウに沿ったそんなマインドを持つ企業もあるんだと感心したものだ。天佑香港。今日は抗議の断酒。

●8月13日
沖縄はコロナ感染増で、緊急事態を最高の4段階にひきあげる。これも性急かつ無定見に「GO TO」を強行した結果だろう。

●8月14日
俳優の渡哲也の訃報。「大笑い30年のバカ騒ぎ」戦後期のやくざ・石川力夫の実録映画『仁義の墓場』の演技は忘れがたい。ワイドショーで流される警察ドラマなんぞまったく彼の勲章たりえない。彼の輝きは映画の中にある。『仁義の墓場』『紅の流れ星』のVTRを観ながら献杯。

●8月17日
4~6月の実質GDPは前年に比較して27.8%減。世界中がこの疫病のもと苦しんでいる。浜松ではこの日気温41度を記録。天変地異で人類は今後どうなっていくのか?家呑みの酒量はついつい増えていく。

●8月18日
バドミントン女子ダブルスでリオの金メダリスト・タカマツの高橋礼華が現役引退。まあ東京五輪もどうなるかわからんしモチベーションを維持する難しさは大変だったはず。今後の人生を祈りつつ乾杯。

●8月19日
この日から三崎町のスタジオで本屋大賞をとった上橋菜穂子『鹿の王』のオーディオブックの収録が始まる。文化人類学者でもある著者が描く架空世界の疫病と人類の戦いの物語が、昨今の事態を予見していた内容でもあり興味は尽きない。

●8月23日
超久しぶりにスポーツ競技の取材で新国立競技場へ。無観客で行われるこのSEIKOゴールデングランプリ陸上を取材するには大会本部に1週間にわたる体温記録と健康チェックシートが求められ、マスク着用や選手にはリモートによる取材のみという制限があったが、アスリートたちのナマの躍動を記者席から目撃出来感慨もひとしお。取材後KGカメラマンと会食を約していたがカメラ不調の修理依頼のためキャンセル。おとなしく家呑みに徹する。

●8月24日
仕事終わりに立ち寄った『明治屋3rd』が、早い時間から密になりだしたので早々に退散。ご無沙汰していた新宿三丁目の『Rusty's Bar』を覗いてみる。アクリル板を張りコロナ対策を施したカウンター越しにTRマスターの元気な姿にちょっと安堵。カウンターに止まるのも随分と久しぶりで、つい長居してしまう。といっても10時までだが。

●8月27日
S企画の仕事でライターのOK氏とともにMT社長の車で軽井沢へプチ出張。仕事終わりに午後から別行動のMT氏の車を待つ間に、旧軽の『キッツピュール』というドイツレストランでお疲れ様の一杯。天気は良くなかったが今年になってずっと東京にこもっていたため開放感に気分は上々。帰りがけ地元のスーパーによってもらい高原野菜やらパンやら家呑み用のアテを買い込む。安い!新鮮!

●8月28日
かねてから噂があった安倍晋三首相が潰瘍性大腸炎の持病悪化を理由に辞任。4日前に就任2799日の歴代最長を記録していたものの、第1次政権に引き続き第2次でも任期半ばで投げ出した。コロナ禍のもとその失政になんら責任を取ることも無く、国会すら開かず、数々の腐敗疑惑になんのコメントも残すことなく無為なそれこそ悪夢の民主党政権を超える地獄のような期間だったが、やっと終止符を打つことになった。とはいえ後継候補のメンツを見ればほっとする気すらおきない。しかも安倍政権を批判するジャーナリストや野党に対し、日本人の節度として「お疲れさま」というねぎらいの言葉をかけられないのかと苦言を呈する善男善女?の多くのSNSのコメントを見るたび、権力におもねる日本人の隷属意識、はたまたお人よしの能天気さに本当にへきえきさせられる。ひとまず権力者の挫折に対し祝杯を挙げることにしたい。