2012年10月29日月曜日

TFF3本目 五月の後

東京国際映画祭最終日にフランス映画『5月の後』(オリヴィエ・アサイヤス監督)を観賞。1971年のパリの革命派高校生たちの群像劇で、タイトルの5月は1968年のパリ5月革命のことを指すので、いわば“遅れてきた青年たち”が主人公。
まさに自分とまったく同じ世代の話だけにもう胸がきゅんきゅんに締め付けられてしまう。謄写版印刷のインクやスプレー缶のペンキとかの匂いが甦って来る。映画でのフランスの高校生たちとはインテリジェンスや男女関係の進み具合!が大分違えども、これでもかと再現される当時のカウンターカルチャーをはじめとする時代の雰囲気の中で、政治や恋愛に挫折し将来の方向性を見いだせずに悶々としていた自分のあの頃をいやおうなしに思い出さされた。
監督の自叙伝的な作品ということで調べてみると、アサイヤスはなんと3日違い生まれ。どうりで同じ歳の世代観が胸に響くわけである。

2012年10月28日日曜日

週間呑みアルキスト10.9~10.28

●10月10日
スポーツフォトグラファーKG氏、元編集KJ氏と四谷『徒歩徒歩亭』で2014年のW杯の企画について打ち合わせを兼ねて会食。KG氏は出雲駅伝に行っていたということで初優勝したわが母校の健闘ぶりを聞く。いつもの通り食事後はBar『3Circle』で2次会。
●10月11日
お台場のテレビ局のA誌が、不定期刊になるため担当部署と新富町のダイニングバー『nobo』で慰労会。結構細かい直しの多い仕事で閉口することも多かったのでほっとするが、経済的な部分での補てんは頭が痛い。
●10月12日
BD誌の25周年イベントで六本木のTOHOシネマズへ。昔懐かしいキャロル・リード監督の『フォロー・ミー』の上映と周防正行監督のトークショー。終了後食事場所を考えていたところに、K社の後輩編集者MT氏、とライターのKM氏、デザイナーのTB嬢から新宿で呑んでいるので合流しないかとのお誘い。時間も遅かったが新宿三丁目の串焼き屋『路地』でラスト1時間半ばかり宴席に参加。『ritbar』に終電まで流れたが、チャージの高さにビックリ。未明に日本代表の欧州遠征第1戦のフランス戦で歴史的勝利
●10月14日
会社の隣のBar『明治屋2nd』の常連さんでサックスプレイヤーのKG氏のライブが新宿『PitInn』で開催されたので久々に生JAZZを聴きに行く。スタンダード中心だがKG氏の手によるオリジナル曲もあり知られざる才能に驚く。ライブ後本人交えて『明治屋2nd』の面々と新宿三丁目の『池林房』で打ち上げ。
●10月16日
日本代表の欧州遠征第2戦はポーランド・ヴロツワフでのブラジル戦。会社のテレビで缶ビールを飲みながらの観戦。0-4の完敗。まだまだ日本の実力も知れたものだ。
●10月20日
わが社の同じビルに引っ越してきたT出版のO社長とデザイナーAK氏、ST嬢と近所の焼き鳥や『ボンちゃん』でささやかな引っ越し祝い。一段と顔を合わせる機会が増えそう。
●10月21日
祝日を利用して『明治屋2nd』主催のイベント・三崎漁港まぐろづくしツアーに参加。三崎漁港の『くろば亭』という居酒屋で名物まぐろのカブト焼きを13人で平らげる。他にもまぐろの白子てんぷらや珍味の数々で満腹。しばらくまぐろはいいや。
●10月22日
恒例、東京国際映画祭アジアの風の台湾映画『逆光飛翔』を観に六本木のTOHOシネマズへ。この日も映画鑑賞後、都合よくというか西麻布で呑んでいるK社の後輩IK氏と広告代理店D社のKS氏からお誘いがあり『礼三』というチャイニーズダイニングで会食後、六本木のBar『DORA』へ流れる。IK氏は翌週に結婚式を控えていて独身生活最後の日々を忙しく飲み歩いているようだ。昔話で盛り上がりつつ前途を祝す。

●10月23日
ライターSM嬢と新規仕事の打ち合わせ。会社の近所のイタメシ居酒屋『ピアンタ』で会食。
●10月25日
大学時代の友人ED氏から連絡があり新宿で会うことに。新宿三丁目の『かり屋』で食事しながら呑む。ED氏も老後は海外逃避を考えているらしく盛り上がる。彼のお誘いで2次会は超久しぶりに歌舞伎町のキャバクラ『倫の風』でゴチになる。たまに若い女子たちと話すのもいいものである(自分の財布じゃないから言えるが)。
●10月26日
曙橋のデザイン会社MM社のガレージバーべキューに招待される。焼肉以外にも石川県直送の刺身、山梨の馬刺し、ロブションのパンやフランスの珍しいチーズ類と絶品のワインが大判振る舞い。ごちそうさまでした。

2012年10月25日木曜日

TIFF2本目 パンのココロ

東京国際映画祭、朝一番で台湾映画『愛的麺包魂』(邦題「パンのココロ」)を観に行く。高雄・旗山の田舎のパン屋を舞台に、店の娘を巡って幼馴染のパン職人と、アメリカで自分の番組を持つほど有名な台湾系米国人のパンマエストロが恋のさや当てをするお話し。

ということで、まあよくあるドタバタのラブコメ劇といったらそれまでだが、おフランスに憧れるヒロインと、都会的でバタ臭いABC(American Born Chinese)のからみがモチーフだったりするのに、舞台がこてこての台湾南部の田舎という文化ギャップがおかしい。セリフも仏語、英語に北京語、台湾語、日本語(少々)が飛び交う多言語カルチャーが実に台湾っぽいし、また皆んな地元の素人という田舎のオジサン、オバサンたち=ティピカル台湾人の表情を見るだに楽しくなってくる。昨年の映画祭「那些年,我們一起追的女孩」ですっかりファンになってしまったヒロインの陳妍希(ミシェル・チェン)も田舎のよく居る隣の女の子的な立ち位置を上手く表現していたように思う(えくぼカワユス♡)。

しかし10年ほど前に台湾に駐在していたときは、食生活で唯一不満だったのがパンがまずかったこと。この作品ではよくもまあパンが美味そうに撮れるものだと思っていたのだが、聞くところでは最近の世界コンクールでは台湾の職人が相次いで賞を総なめにしていて、台北あたりでは人気店に行列ができているそうだ。高炳權監督も質疑応答で“台湾のパン文化を知って欲しい”というくらいで、ここ10年の変貌ぶりにビックリさせられてしまった。

朝からこんな映画を見せられたので、帰りがけさっそく昼飯用に「pompadour」に飛び込んでパンを買い込んでしまった。監督推薦の菠蘿麺包(パイナップルパン)はもちろん無かったけどw

2012年10月23日火曜日

TIFF1本目 逆光飛翔

東京国際映画祭開幕。今年は3本ほどしか観ることができないが、昨夜は台湾映画『逆光飛翔(邦題 光にふれる)』を鑑賞。
台湾で全盲のピアニストとして実際に活躍している黄裕翔が本人役で主演(辻井伸行みたいな人)。台湾で初めて一般大学へ進学した彼の挑戦と、周りの人々のとまどいと暖かい目を描きながら、経済的問題から舞踊をあきらめているコーヒー店のバイト女性・小潔(張榕容)との邂逅と友情を通して、人生のポジティブな生き方を指し示すという内容。
全体的にはことさら大きなドラマが起こるわけでもなく、静かにストーリーが進行するが、その控えめな表現と音楽が心地よい。台北映画祭や釜山映画祭で観客賞を獲るなど映画ファンに広く受け入れられたのも素直な演出手法が逆に好感を呼んだのではないだろうか。 ルームメイト役で台湾の青春ものでお決まりのデブで良い奴という友だちキャラや、母親役の李烈も好演。
台湾映画の専門家・田村志津枝さんの著書で、『養鴨人家』(1965)はじめ台湾映画ではなぜか障害を持つ人を主人公とする映画が多い気がすると書いてあったが、この映画もその伝統に即しているのかもしれない。実際、日常的にも義捐活動は街中でよく目にする。東日本震災でも発揮された台湾社会に通底する優しさみたいなものの一端がこの映画からも感じさせられるような気がした。
しかし主会場が六本木ヒルズに移って以来、映画祭っぽさがまったく感じられなくなったが、帰りがけ、昔の仕事仲間からタイミングよくはかったように西麻布での飲み会へのお誘いを受ける。たまにはヒルズでもいいことがあるもんだ。

2012年10月15日月曜日

週末のお楽しみ

土曜、日曜とお楽しみのスポーツイベントが揃う中、知人より譲り受けた50インチのプラズマディスプレイの搬入もあって臨場感あふれる中継が楽しめた。
まずはサッカー日本代表のヨーロッパ遠征。強豪フランスに圧倒的に攻められながらもしのぎ切り、カウンターで終了間際に香川真司が止めを刺しての大金星。相手は1.5軍ではあったし、日本も決して状態は良くなかったのであまり過大評価はできないが、敵地サンドニで結果を出したのは素晴らしい。
ボクシングでもWBCスーパーバンタム級王者の西岡利晃が、WBO最強の王者ノ二ト・ドネアと統一戦に挑んだが、西岡の切れ味鋭い左を炸裂させる前にドネアに圧倒され強烈な右ストレート一閃でマットに這わされTKO負け。西岡にはひょっとしたらという期待もあったが、やはりパッキャオと並び称されるドネアの実力の前にはいかんともしがたかった。しかし、その意気やよし。最後の花道を飾った西岡のチャレンジは心から称賛したいと思う。
日曜午後には新宿の『PIT INN』で最近知り合ったアルトサックス奏者片桐智和君のライブを観に行く。『PIT INN』なんて何年振りだろう。スタンダード中心(2曲は彼のオリジナル)の演奏を聞きながら、色々と昔のことを思い出す。

2012年10月8日月曜日

週間呑みアルキスト9.10~10.7

●9月11日
ワールドカップ予選のイラク戦。埼スタのチケットを抑えてあったのだが、A誌の入稿の関係で生観戦は断念。せめて事務所のテレビで缶ビールを開けてみることに。ジーコ率いるイランの堅い守備に手こずりながら、右サイド、早いスローインから岡崎が折り返し、前田のファインゴールでゴールをこじ開けた。これで日本は勝ち点的にはダントツ。今年11月からのアウェイ戦ばかりの折り返しでもかなり優位に立った。はやくも2014年のブラジルが現実味を帯びてきた。
●9月14日
Fテレビの会議から戻り、編集のSM嬢、TM嬢と神保町のイタめし『オステリアアプント』で食事。A誌の入稿が佳境に。
●9月16日
事務所に出社する前に、秩父宮ラグビー場で母校の試合を観戦。相手は大学王者の帝京大学。まあはなから勝てるなんて思っていなかったが年に1回の秩父宮での観戦だけに負けが分かっていても仕方がない。せめて50点以内の善戦を期待したが、FW戦でディフェンスラインを粉砕され、また相手バックスの勢いを止めるすべもなく100―0の大敗。久々に三桁負けを見る羽目になった。9月とはいえ30度を越す猛暑で、美味い筈のビールはただただ苦いだけ。
●9月18日
A誌校了に向けての作業が続く。先方から山ほど入る修正指示の嵐に思わず悪態をついてしまう。事務所のそばの中華料理『正香園』でSM嬢、TM嬢と食事しながらもぼやきが止まらない。
●9月19日
兄夫婦が神保町に来て食事を誘われる。校了作業を中断して三省堂地下のビアホール『放心亭』で軽く一杯。
●9月20日
A誌の校了が苦労しながらも終了。この号を限りに不定期刊に移行するためしばらくは校了のバタバタはお休みになるのかもしれない。深夜、新宿三丁目の『かり屋』でSM嬢、TM嬢と打ち上げ。
●9月22日
K書店のT誌が30周年を迎える。30年前の創刊スタッフと横浜・関内の蕎麦屋『利久庵』でささやかな宴会。普通なら社を挙げてパーティーでもするべきだろうが、雑誌不振のK社にそれを望むべきもないか。30年前には20代,30代だったスタッフもいまや年金と病気の話が話題の中心。それでもしばらく話しているとすっかり気分は30年時計の針を戻した気分に。いまやリタイヤした人たちばかりだが、それぞれ第2の人生に幸あらんことを。
●9月25日
兄夫婦が再び「神保町シアター」で映画鑑賞のため神保町に来ているとの連絡があって、すずらん通りの中華ダイニング『SANKOEN』で食事。
●9月26日
仕事でかかわっているJICAの国際支援のキャンペーンの記者勉強会に立ち会うため竹橋の共済会館合同ビルへ。動員の協力で無理やり出席をお願いしたSW嬢と終了後パレスサイドビルのビアホール『ライオン』でご馳走する。
●10月1日
A誌の発送作業と新規仕事の打ち合わせでSN嬢、TM嬢と神保町『鉄火炉火』で会食。
●10月3日
のWEB掲載用の対談で麹町のJICA本部へ。評論家勝間和代さん、JENの木山啓子事務局長のスーダン,ハイチ支援の体験から今後の国際支援のあり方を聞く。終了後、四谷の居酒屋『テング酒場』でD社のおごりで慰労会。
●10月7日
対談のテープ起こしで出社。新規仕事の打ち合わせを兼ねてSM嬢、TM嬢と新宿南口の『韓花』で食事。ポッサム、トッポギ、海鮮チジミ美味し。