2018年10月10日水曜日

週間呑みアルキスト9.1~9.30



●9月前半
入稿、校正、校了と編集作業のため基本コンビニ飯が続く。


●9月13日
校了の合間にちょっとだけ時間ができたので新宿三丁目『Rusty's Bar』に顔を出す。常連だったWT氏の訃報を聞いてびっくり。豪快に呑み笑いオヤジギャグ連発の元気オジサンだった。明日は我が身だ。


●9月19日
校了明け。今回はミスも多く、ずるずる下版も引っ張ってしまってなかなか終わりが見えなかったが、ひとまず今回の仕事を手伝ってもらったTN嬢、HZ嬢と麻婆豆腐で有名な小川町の『四川一貫』で軽い打ち上げ。神保町『KLEIN BLUE』で〆て帰る。


●9月21日
何十年にわたって仕事でお世話になってきたデザイン会社MM社のOG社長の古稀のお祝いパーティーへ。場所もおしゃれに代官山の『タブローズラウンジ』を貸し切り。懐かしい顔も多く思い出話で盛り上がる。歳月の長さをあらためて感じる。2次会でかつての職場で机を並べたSM氏、SN氏、MT氏と自由が丘の『ラベンダーカフェ』でプチ同窓会。


●9月29日
会社の隣の『明治屋2nd』のマスターHM氏の還暦祝いで屋形船貸し切りパーティー。大型台風が接近しつつあったが、上陸は翌日以降ということで開催強行、幸い東京湾も凪いだ状態で、小雨にけぶるトウキョウのビル群がかえって幻想的。みんな楽しく盛り上がり良い会だった。HM氏の人徳だね。


●9月30日
以前の会社の同僚だったHY氏からビジネスの相談&美味いものでもということで約束していたが台風直撃が予想され、JRも20時で運休ということでリスケ。台風今年は異常に多い。地球はどうなっているんだ?




2018年9月8日土曜日

週間呑みアルキスト8.1~8.31





●8月1日
ムックの仕事を受けたため、今月もあまり呑みアルキができなくなること必至。という以前にこの暑さっ続きでは食欲もあまりわかぬ。近年の異常気象で年寄りにはつらい日々だ。事務所の冷房も強烈な西日で温度が28度から下がらない。『明治屋2nd』に涼みに入っていたら、マスターよりスミノフのメーカーの宣伝で置いていった店舗用の赤いフラッグをプレゼントされ、試しに席の背後の窓に貼って遮光してみたところ25度くらいまでには何とか下がるようになった。感謝!


●8月5日
脳梗塞で死地から復帰したものの半身不随となってしまったYD氏のリハビリで、彼の昔の仕事現場であった味スタのFC東京戦に車いす席の付き添いで参加。会場は対戦相手が神戸なのでイニエスタ首都初登場を期待するファンで超満員(残念ながら家族を連れ戻すために帰省中で出場はかなわず)。
病気の後遺症であまり喜怒がはっきり伝わらないのだが、迎えに行った後輩のTM君に寄れば、速い時間からレプリカユニフォームに着替えてそわそわしながら待っていたというから、やはり楽しみにしていたのだろう。気温だけでなく試合内容も熱く、本人も終了する頃は少しぐったりしていたが久々のスタジアムの雰囲気を味わえて満足してくれたのではないだろうか?YD氏を車に乗せご家族に挨拶した後、YD氏の友人のMG氏、TM君のお父様と一緒に調布まで歩いて駅前の居酒屋『四十八漁場』でお疲れ様会。大汗かいたのでビールの美味いこと。


●8月6日
仕事仲間のTM嬢にかねてからリクエストしていた、ちょっとお気に入りのIK嬢を誘っていただいての合コン。店の雰囲気も料理も間違いない水道橋の『アンチヘブリンガン』で楽しいひと時。TM嬢はいつもながらの遅刻が今回は逆に好都合、先に二人っきりで親しく話をさせていただいたが、年甲斐もなくあがってしまった。


●8月8日
この日亡くなられた沖縄県翁長知事の冥福を祈って献杯。


●8月10日
TM嬢と仕事の打ち合わせで、神保町の『YAMITUKIカレー』で食事。IK嬢とまた機会を作ってもらえるように依頼、苦笑されてしまう。


●8月17日
身体の調子もあって酒を控えている兄から貰い物の日本酒をもらうために茅場町まで出向き、老舗の焼き鳥屋『鳥徳』でランチ。食後はよくもまだ残っているなというくらい時間がストップしている昭和情緒たっぷりの喫茶店『サン茶房』で珈琲をごちになる。


●8月20日
甲子園100回大会は、秋田の公立校金足農業の大健闘で大いに盛り上がり、迎えた決勝戦は連投のエース吉田投手がさすがに披露のため強打の大阪桐蔭の猛打につかまり大敗。


●8月24日
この日は仕事を翌日回しにして早めに切り上げU20女子W杯の決勝戦を家呑みで観戦。スペインを破って世界の頂点に立ったヤングなでしこたちの歓喜に気分は最高!


●8月31日
ヤングなでしこに続きお姉さんたちのフル代表がアジア大会で韓国を破って金メダル獲得。仕事を抜け出して『明治屋2nd』のテレビで40分ディレーの中継見ながら祝杯を挙げる。




















2018年8月1日水曜日

週間呑みアルキスト7.1~7.31





●7月1日
W杯はノックアウトステージ。一番面白い試合の組み合わせが続く。この日は優勝候補のスペインが開催国ロシアにまさかのPK戦負け。続くクロアチア×デンマークも息詰まる試合が展開しこちらもPK戦でクロアチアが薄氷の勝利。観てる方も身体がもたないなこりゃ。


●7月2日
ブラジルがメキシコに2-0の順当勝ち。ネイマールもやっと復調したか。さて続いてお楽しみの日本×ベルギーはいい意味で予想を裏切る大熱戦。優勝候補の一角ベルギー相手に堂々と互角に渡り合う展開。ディフェンスラインもきっちり機能し危ない局面を作られながらもなんとかルカクを封じている。後半、右サイドから仕掛けた原口のテンポをずらしたファインゴールで先制!思わず絶叫。さらに乾のお得意の右サイドからのミドル炸裂で2-0と信じられない展開。追い詰められたベルギーがここから怒涛の反撃で、アンラッキーな失点の後、日本の弱点をついて高さのフェライニ投入で同点弾を決められる。そして延長が見えた最後のインジュアリータイムで電光石火のカウンターを決められジ・エンド。最後はベルギー陣内でのCKから速攻を決められるって、CKを真っ正直に蹴った本田の判断がすべて台無しにしやがった。ドーハの教訓は生かされず。何考えてるんだか。まあ、延長になっても逆転は必然だっただろうが。それにしても惜しい試合を落としたものだ。今回の代表には全く期待していなかったので面白くしてくれたことは評価したいが、それでもまだまだ世界のトップ8への道は限りなく遠い。


●7月3日
ベスト8への最後の2試合は、スウェーデンがスイスを接戦の末1-0で下し、コロンビアとイングランドはPK戦の末イングランドがベスト8に。


●7月5日
高校の年1回の恒例マスコミ会。いつもの日比谷『松本楼』で開催。年々高齢化が進み出席者数はさみしくなる一方。名物のカレーもルウがなくなり白飯が残る。年よりは本当に食が細くなる。こうなれば別に会場が松本楼じゃなくても全然問題ない気がする。来年は会場変更も考える必要があるだろう。


●7月6日
午前中から終日CDブックの収録で高田馬場のスタジオにこもりっぱなし。やっと解放され、以前よく通った中華料理『将軍』に足を運んでみる。さすがに顔なじみだったフロアのおばちゃんはいなくなっていたが店はそのまま。味は以前よりちょっと味付けが濃くなったような。料理人だって変わるんだろうな。この日からいよいよ準々決勝。ウルグアイ×フランスは0-2でフランスの貫録勝ち。ウルグアイはカバーニ欠場は何とも痛かった。ベルギー×ブラジルは2-1でベルギー。日本にあわやと言うところまで追い込まれたベルギーが王国ブラジルを危なげなく下した。


●7月7日
事務所の隣の『明治屋2nd』のルーツは浅草の酒屋さん。そのご実家が店じまいする前に倉庫に残っていたヴィンテージものの、スコッチやブランデーを大放出ということで、宵のうちからジョニ黒だとか、ヘネシーだとかちびちび味わう。お店のテレビで23時からのスウェーデン×イングランドを(0-2でイングランド)最後まで観てしまったので、当然終電もないため事務所に戻って続くロシア×クロアチアを観戦。クロアチアはまたまた延長戦を強いられるがなんとかPK戦で勝ち抜いた。始発で帰宅し爆睡。


●7月9日
いよいよ準決勝。フランス×ベルギーは個人的にはベルギー有利と踏んでいたが、押されながらもセットプレーから先制したフランスが、堅い守備とカウンターを機能的に生かし逃げ切った。


●7月10日
準決勝2組目。イングランドとクロアチアは、イングランドが先に先制弾を決めたことからクロアチアが再び追いかける苦しい展開。クロアチアにとっては3度目の延長戦にもつれ込むも、若いイングランドを2-1で下しどうにか決勝進出。モドリッチの気合に決勝はなんとかフランスを打倒し、悲願の初優勝をと、すっかりクロアチアびいきに。


●7月13日
台湾駐在時代の同僚だったTD嬢が来社。勤めていた会社を5月いっぱいで退社したということで慰労を兼ねた食事会。水道橋の『アンチヘブリンガン』でパスタをいただきながらランチビールを飲みながら近況を聴く。午後は老舗の喫茶店『ミロンガ・ヌオーヴァ』で昔話。



●7月14日
昼間新宿で映画を観た後、酒と食料を仕入れて帰宅。3位決定戦ベルギー×イングランドは2-0でベルギーの貫録勝ち。若手中心のイングランドは次大会が楽しみだ。楽しかったワールドカップも残すは決勝のみ。


●7月15日
いよいよ決勝戦。クロアチアは延長続きで体力的にも心配されるが、先制はフランス。アンラッキーなオウンゴールだったが、持ち前の集中力でペリシッチがすぐに同点とするが、再びエリア内のハンドでPKで離される。クロアチアにはどうもツキがない。後半に入ると前がかりになったクロアチアに対しポグバとムバッペのスーパーゴールが炸裂。結果4-2でフランスがワールドカップを高々と掲げることになった。祝祭の日々もついに終焉。はやくもW杯ロスにとらわれてしまう。


●7月17日
高校のマスコミ会の報告&慰労会で1期上の先輩SG氏とKS氏と池袋のビアホール『ライオン』へ。来年以降の会の進行を話し合う。


●7月18日
仕事の打ち合わせでフリーライターのTM嬢の地元荻窪へ。彼女推薦の南口の落ち着いた居酒屋『おざ』で一杯やりながら仕事の段取りを説明。遅くならないうちにバスにて帰宅。


●7月19日
日頃お付き合いのあるデザイナーのNM嬢、ライターのTN嬢、SM嬢と暑気払い。クロアチアの準優勝祝勝会を兼ねて京橋のクロアチア料理レストラン『ドブロ』へ。案の定ワインの祝勝半額セールもあって大満足。シュトゥルクリ(パスタ)、サルマ(ロールキャベツ)といった郷土料理に舌つづみを打つ。


●7月26日
K社時代の同僚だったHY氏、SH氏と久々に暑気払いで会うことに。渋谷ヒカリエ内の『博多漁家磯貝しらすくじら』で一献。2件目はHY氏のかつての行きつけというオジサマ度の高い『深雪花』というスナックで放歌高吟。久々にはじけまくる。


●7月30日
新宿3丁目の『Rusty’s Bar』が、移転前の『t’S bar』時代から数えて20周年ということで、帰宅の途中立ち寄る。マスターとはもう40年近い付き合いである。そんなことを話しながらちょっとしみじみした気分になってしまう。















2018年6月30日土曜日

週間呑みアルキスト6.1~6.30



●6月1日
K社発行のTVS誌が創刊35周年を経過したので、創刊から初期の頃に同志の編集に携わっていた人たちで同窓会を新宿のビヤホール『LION』にて開催。懐かしい面々が約60人ほど参集した。
当時の中心メンバーだったNM氏、FD氏、TN氏辺りはそろそろ古希を迎えつつあると思うが皆すこぶる元気そう。しかしながらここに出席できなかった早世した仲間も大勢いるのも改めて歳月の長さを感じさせる。大勢で賑やかに2次会へ繰り出すようだったが、創刊の前からともに日本テレビ系の担当をしていたWM嬢を誘って『Rustys Bar』でひっそりと思い出話にふける。


●6月4日
W杯ガイドブックでコメント協力してもらった昔のサッカー仲間HT氏とお礼の食事会。新宿南口のドイツ居酒屋『クライネヒュッテ』でバイツェンビールの蓋付きジョッキで乾杯。W杯談義に花が咲きBar『ICE』に流れる。


●6月6日
元C社の広告マンUC氏、SM氏と神保町『東京アチコーコー』で会食。UC氏が神保町で行きつけの歯科医IM院長も合流。IM院長とUC氏は高校時代の同級生ということで地元の歯科医と知己を得るのは有益だろう。後々お世話になりそうだ。


●6月9日
元Jリーグ関連で働いていて現在は外資系保険会社に勤務するNM氏のお誘いで、中目黒で予約の取りにくい人気の肉料理店『虎馬』で食事会。1万円呑み放題のコースのみだが、食べきれないほど絶品の肉料理のオンパレード。コスパは決して悪くない。


●6月14日
TVS誌同窓会には来られなかった、広島の地方紙勤務のMT氏が上京しているということで、彼と仲の良かったHT嬢と誘い合って新橋の台湾料理『香味』で10数年ぶりの再会。当時まだ大学生バイトだったMT氏もすっかり貫禄がついた。やはり思い出話と当時の仲間たちの消息話で盛り上がる。この日はいよいよロシアW杯の開幕日。帰宅後睡魔と闘いながらロシア対サウジ戦をテレビ観戦。ロシアが5-0と圧勝。


●6月15日
W杯ガイドブックのスタッフ打ち上げを、W杯を観戦しながらやろうということで新宿御苑のスポーツBar『フィオーリ』で開催。ウルグアイ対エジプトを見ながら大騒ぎしつつ1次会で散会。なんといっても深夜3時からのポルトガル対スペインは見逃せない。クリロナハットトリック!3-3でイベリア決戦の勝負はつかず!


●6月16日
ライターTM嬢が住居を引っ越すため不要になったLDプレーヤーを譲るというので荻窪まで取りに行くが、かえってAV機器と接続すると読み込みの回転部分がへたっていて使い物にならず、結局粗大ごみを引き受けてしまったようだ。この日は注目のアイスランドとアルゼンチンの一戦。アイスランドがメッシを封じ1-1で分ける大健闘。


●6月17日
老舗のライブハウス銀座『TACT』にて、以前の同僚だったSH氏がオヤジヴォーカルグループ「BILL BOSE」の一員として出演するということで、『明治屋2nd』のマスターご夫妻と常連の人たちと一緒に観に行くことに。懐かしいロックや昭和歌謡で満員の熟年客はノリノリ。SH氏の多芸ブルは老いてなお盛ん。終了後銀座コリドー街の居酒屋『福栄商店』でクールダウンのお疲れ様会。
帰宅後観たドイツ対メキシコ戦は酔眼を吹き飛ばす0-1ドイツ敗戦!


●6月19日
日本の初戦となるコロンビア戦を、この試合目当てにテレビの受信機を設置した『明治屋2nd』にて観戦。日本まさかの2-1勝利に大興奮。普段はサッカーに興味がないマスターも面白さに開眼したとお客さんと一緒に盛り上がり、テレビ設置の甲斐があったようだ。


●6月21日
強豪国が苦戦を強いられる今大会、この日のアルゼンチンもクロアチアによもやの0-3の完敗。メッシとチームの歯車は完全に狂って、これは本当にアルゼンチンのグループリーグ敗退もありうる展開に。


●6月23日
深夜に観たドイツ対スウェーデン。調子の上がらないドイツがこの日もスウェーデンに先制され苦しい展開、1点は返したもののグループ敗退nおがけっぷちに立たされるかとおもった矢先、インジュアリータイムでクロースのFKが炸裂。思わず絶叫!


●6月24日
日本戦の第2戦。幸先の良いスタートを切った西野ジャパンが、これまた強敵のセネガルに挑む。
結果は2回先に点を取られながらもしぶとく追いつく大健闘。川島のボーンヘッドさえなければ勝ったかもと悔やまれる。柴崎、昌子の若手の活躍が光る。


●6月27日
ドイツが韓国に0-2で敗れ、グループリーグ敗退が決定!W杯ガイドブックで8割がた優勝と予想する記事を掲載したが大外れ、責任取ってくれよな。


●6月28日
日本がグループリーグ突破をかけてポーランドと決戦。西野は決勝トーナメントを見込んで6人スタメンを変更という賭けに出るが、ポーランドは甘くない。結局セットプレーから先制弾を決められてしまう。しかしながら裏でやっているコロンビア対セネガルが、コロンビアが先に得点したのでにわかに2位抜けのポジションが転がり込んでくる。ここで西野はまだ10分以上残しているにもかかわらずボール回しをはじめセネガル敗退の他人頼みの大博打。1点負けのためにゲームを捨てるという展開に会場は一斉にブーイングという異常事態。かっこ悪い事甚だし。実はこの試合のチケットを持っていただけに現地観戦をあきらめて個人的にはラッキーだった。案の定世界のメディアの物議をかもす結果になったが、西野のばくちは結果オーライ。なんとも複雑なベスト16入りであった。












2018年6月8日金曜日

軍中楽園



仕事が詰まっていてなかなか行けなかった映画だが、ユーロスペースで公開中の台湾映画『軍中楽園』(鈕承澤監督)をやっと観ることができた。


 舞台は1969年の金門島。当時は大陸反攻を夢見る蒋介石政権による対共産中国との最前線で対峙していた島で、まだ日常的(定期的)に砲撃があったりしていた「戦地」である。主人公の台湾本島から徴兵されて赴任してきた小寶(阮經天)は猛訓練で知られる精鋭部隊のフロッグマン部隊(海龍蛙兵)に配属されるが、泳ぎが苦手で落伍、831部隊へと転属になる。831部隊とは兵站部隊で専ら兵士たちの慰安を目的とする、『軍中楽園』と呼ばれる娼館の管理を担当していた。様々な過去を持ち流れ着いてきた慰安婦たちの中で、小寶は陰のある妮妮(萬茜)という女性と徐々に打ち解けていく。


 この作品では国民党兵士として内戦に強制され駆り出された外省系の下士官兵や、隊内暴力で逃亡する新兵、極限下における過酷な軍務などを背景に、娼婦として彼らの相手をする女性たちの哀しみなどを描いていくのだが、実際このような慰安所は1990年代まで存在していたという。台湾でも公然の秘密だった慰安所の存在を世に知らしめるということだけでもこの映画の持つ意味は大きい。第二次大戦中の日本軍による慰安婦問題は、韓国ほどクローズアップされてはいないが台湾でも補償問題は当然あって、ともすれば反日的な政治課題ともなっているのだが、この映画の公開で「日本の批判ばかりできないではないか」という声もあがっているとのことだ。


 戦後日本のRAA(特殊慰安施設協会)や韓国の洋公主(在韓米軍慰安婦)の例を引くまでもなく、軍と慰安所の問題はどこの国にも存在していたし、人権問題としてとらえなければならないことも確かなのだろう。しかし、当時その場で交錯した多くの男女たち、過酷な歴史の中で翻弄されてきた時代時代を生きてきた人々の背景の物語に思いをはせると、そこには語りつくせないようなドラマがあったはずである。鈕承澤監督は決して声高にではなく、そんな人々の物語の断片を淡々と拾い集め紡ぎ合わせ、逆に多くのことを考えさせられる作品に仕上げたように思う。


 1969年という時代背景も興味深く観ることができた、2000年代に2度金門島を訪ねたが、すでに観光地化され、軍の施設もそれなりに残っているものの、映画で表現されていた兵士たちであふれ、商店が賑わっているような光景は見ることはできなかった。その意味でも忘れられつつある現代史のタブーを果敢にテーマとして取り上げたこと、近年再び台湾海峡に緊張が高まっている現状とあわせて鑑みてこの作品は広く日本人にも観て欲しい。


 第51回金馬奬の主演女優賞を獲った萬茜(レジーナ・ワン)の美しさにはすっかり心奪われたが、助演男優賞の中国人俳優陳建斌の外省人老兵士の人間味あふれる演技も特筆ものだった。大陸の役者だそうだが国民党軍人を台湾で演じて何か問題にならなかったのだろうか?