2009年10月9日金曜日

岡ちゃん、少し見直す


日本代表の10月の3連戦の初戦は折からの台風18号の襲来で開催が危ぶまれたがなんとか事なきを得た。アジアカップ予選ラウンドでもあるこの日の日本平での香港戦は、岡崎のハットトリックを含む6得点という久々のゴールラッシュで完勝という幸先の良いスタートとなった。

もともと岡田監督をあまり評価はしていなかったが、試合前にスタメンを見た限りでは岡田の指揮官としての資質を少しだけ見直した。せっかく森本、石川といったフレッシュなメンバーを招集したにもかかわらず、格下の香港相手でなんで使わないのかと思った向きも多いと思うが、アジアカップの予選という正規の大会の本選をかけた真剣勝負であること、しかもバーレーンに手痛い1敗を喫し現在グループ2位の座に甘んじていて、この試合を万が一落とすようなことがあると窮地に陥りかねない状況であること、香港はFIFAランクでは格下といえるかもしれないが決して侮れないチーム力があり東アジア大会の予備予選で北朝鮮を蹴落としたばかりであること。これら現在置かれている状況で外野から何を言われようが必ず勝ち点3が必要であり、そのためには“将来へむけた”テストなどは考えられない試合だった。岡田監督はそれゆえに現在考えられるベストのメンバーを組んできたのだろう。それは勝負に関しての定石だし、相手を値踏みしなかった時点で、日本代表というチームのマネジメントがきっちり分かっている証左でもある。

結果、岡崎の裏への飛び出し、長友、駒野といったサイドからの切り崩し、セットプレーでの中澤、闘莉王の高さ、とヴァリエーションのある攻撃と、中盤の早いディフェンスで6-0という最良の結果を導き出した。これで今後のアウェイの戦い、星取りを考えた上で大きなアドバンテージとなった。さらにこれでむしろ明日のスコットランド戦、続くトーゴ戦という強豪とのテストマッチで森本、本田といった新戦力を心おきなく試せる(玉田が負傷したのでなおさら)のではないだろうか、本当に彼らの登場が楽しみになってきた。

それにしても日本の出来も良かったのだが、香港は少し物足りなかった。聞けばスタメン3人を欠いていたとはいえ、サイドをあけわたして中央を固めたため長友にかなり自由にやられてしまったのと、中盤にボールを持てる選手が不在だったため、DFとトップの間にスペースが空いてしまったし攻撃が単調にならざるを得なかった。伝統的に個人技のさえた選手がいるはずなのだが、今回のメンバーにそれと言って怖さを感じさせる選手も見当たらなかった。本当にこのチームが北朝鮮とガチで良い勝負をしたのだろうかと疑いたくなるような拍子ぬけ加減だ。この相手ではゴールラッシュも当然と言えば当然だが、まずは勝たなければならない戦いを確実に取ったことは大いに評価できよう。

来年のワールドカップ本大会に向けて、つぎの2試合の戦い方で、新戦力を含めてどれだけやれるのか。欧州勢、アフリカ勢を相手に得点を重ねることができるのか、さらにレベルアップした姿を期待したい。

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