2009年8月3日月曜日

トビウオ死す


フジヤマのトビウオ、古橋広之進ローマに死す。

焼け跡の日本で、買出しの芋で空腹を満たしながら猛練習し、世界新を更新すること実に33回。
しかしながら戦後初めて日本が復帰した1952年のヘルシンキ大会ではすでに峠を越えていて五輪では無冠に終わる悲劇のヒーローだった。

五輪の理事のときだったか、水連の会長のときだったか、会見でお会いしたことがあるが、老境でも情熱的で若々しく紳士然としていた。生まれる前の国民的英雄だったが(われわれの子供のときは山中毅選手だったな)、伝説の人を間近に観れて興奮した覚えがある。

世界水泳選手権の現場での劇的な死。享年80。
トビウオと呼ばれた男は1948年の夏から生涯をかけて今泳ぎきった。
そして昭和はまた一段と遠くなっていく。

合掌

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