2010年3月8日月曜日

J2ワールドへようこそ


昨日、関東地方は1日中氷雨に見舞われた。

こんな悪コンディションに心が折れそうになる自分を鞭打ち、今年からJ2に昇格したギラヴァンツ北九州の初陣を見たくて、わざわざ三ツ沢競技場での横浜FCとの開幕戦に出掛けてきた。
実は、つい最近にわか北九州サポになったことを告白し、それを知った旧知のサッカー仲間から、前日に連絡をいただいてチケットが余っているゆえ譲っていただけるということもあったのだが、それにしてもJリーグとはいえ2部、有名選手もほとんど皆無の究極のプロヴィンツァチームの応援に、しのつく心凍らせる氷雨(by高山厳)に90分もさらされながら一人スタジアムに行くなんて、本当に我ながらモノ好きとしか言いようがない。

会場でお会いした対戦相手横浜FCサポーターのサッカー仲間のお二人からは“ようこそJ2ワールドへ”と歓迎されたが、正直屋根の全くないスタジアムに入った時、思わず後悔していた。雨は一向に止む気配もなく、気温はキックオフが迫る夕暮れ時になりますます冷え込んでいくようだ。

この日を待ちかねていた北九州から遠来のサポーターは数えると40人くらい。100倍のサポーターを集める横浜FCのサポーター席に負けじと声をからしている。け、けなげだ。サポータソングは岡林信康の“友よ”というのも泣かせる。
今年の横浜FCはJ1復帰を至上命題に大幅補強を果たし、前シーズンのスタメンはわずか3,4人と顔ぶれがガラリと変わっている。トップはもちろん元代表の大黒。言わずもがなセリエAのトリノでもプレーしていたスター選手である。控えに回ったカズとともにチームにセリエA戦士を二人も抱える戦力はJ2有数だろう。
対するわが北九州はJ2昇格というのにほとんど強化はされず(財政的な問題だろうけど)、わずかにJ1でかつてその才能を嘱望されたものの怪我に泣いて各球団を流れ歩いてきた佐野裕哉が10番を背負っているのが目立つくらいだ。
完全アウェイで圧倒的な戦力差という状況でわれらが北九州は史上初のJリーグの歴史的試合のホイッスルを迎えた。

試合自体は寒さがいや増す展開。互角に勝負できたのは前半25分まで。何度も裏を狙われ飛び出す大黒にラインを上げて対抗していたが、滑るピッチに足を取られたDFがあっさりかわされてゴールを決められると10分後には同じ選手が再びクリアミスで相手の大黒にパス?してしまいバーに直撃したボールを拾ったFWの高地にこの日2点目を決められてしまった。
後半もなんども押し込まれたのを耐え抜いて、何度か見せ場も作ったものの零封であっさり完敗してしまった。

試合後、横浜サポのお二人に合流し、野毛の居酒屋で交流会と相成ったのだが、点差ほどの技術の差はなかったとのこちらの負けおしみに、この差のなかにしのぎを削るのがJ2サッカーといわれ妙に納得。
欧州のサッカーや日本代表の試合に(だいぶ落ちるが)比べると、レベルは比べようもないが、それはそれで負ければ確かに悔しいし、初勝利の日にはきっと快哉を叫びたくなるだろう。これまでいまひとつ気持の入らなかったJリーグだったが、逆にプロビンツァとはいえ出身地を同じくする“おれたちのチーム”という感覚は身にしみてわかった気がする。この日は雨に降られ、寒さに震え、試合は完敗という最悪のスタートだったが、早くも今後のスケジュールが気になりもう近場の地方には遠征で行くつもりでいる自分に気がついた。
地方の競技場に遠征し帰りは地場の飲み屋で反省会というのもなかなか悪くない。

そう、“それこそがJ2ワールドの魅力ですよ”と横浜サポのお二人に、うながされ空腹にしみるホルモン焼きと体を温めるホッピーも外、中、合わせてすでに3杯目、気づいたらサッカー談議はさらに盛り上がり至福の時間に浸っている。
こりゃ、ハマりそうだ。

2 件のコメント:

ask さんのコメント...

どうしても東宝怪獣を連想しがちですが、そうか"地元"でしたね。与那城、藤吉、佐野裕哉(!?)けっこう読売OBですか。

小生も縁だけはあるファジアーノを応援するかな…せいぜいスポーツ新聞経由ですが。

秋山光次 さんのコメント...

ビッグクラブじゃないだけにマイナー感がある半面、先の楽しみがありますね。自虐的だけど究極の反判官びいき!ひそかなツウ意識も味わえますしw
ギララに名前負けしないよう頑張ってほしいです。

ファジア―ノ岡山いいじゃないですか!
5月2日の対戦を楽しみにしております。