2009年6月18日木曜日

この人では…


結果のいかん以上に失望は思ったより深かった。
昨夜のワールドカップ予選1位決定戦たる対豪州戦の敗北は、消化試合の順位決定戦という意味での勝敗だけではなく、この代表が抱えている根本的な問題があからさまにされたような気がする。

一番に層の薄さ。海外組を加えたスタメンと控えの個々のレベルの差は思ったより大きかった。
二番目はドイツ大会での惨敗を受け、まがりなりにも日本の戦い方を試行してきた3年余りの取り組みが実はなにも進歩していなかったという事実(キリンカップ以降の3連戦の日本はドイツ以前のクォリティだった)、三番目は世界レベルにおける指揮官の経験不足。

はっきり言って岡田は世界を驚かす結果を残せる器ではないし、世界の強豪を相手にしてきた修羅場もくぐってきていない。世界の戦いの現場を知らないからこその“ベスト4”発言なのだろうが、観念的な期待値をお題目に抱える前に、チームとしての戦術プランがまったく出来ていない現実を思い知るべきである。今のチーム力でベスト4発言をすることこそ世界が驚くというものだ(韓国をクビになったファーべクあたりに皮肉られるんじゃねえよ)。

確かにオシムの急病という非常事態の後に引き受け手がない中、ワールドカップの予選を勝ち抜いたことに関して、まあ無難に最低限の仕事をしたことは確かだが、論功賞的な感情論で代表監督を続けさせていいものでもない。本大会まで1年。現状の日本代表を見る限り(また愚かにも今のチームをいじるつもりがないことを広言する)岡田では本大会を勝ち抜くことは至難だろう。
契約は契約である。本大会の監督を誰にするのか、選手同様選考はまた一から始めるのが当たり前ということを協会も認識すべきである。

話は変わるが、アジアのもう一つの組の代表に北朝鮮が決まった。環境的には日本の比ではない劣悪な状況で勝ち抜いた彼らの偉業に政治的な立場を変えて心からの祝福を送りたいと思う。1966年に世界を驚かせた彼らが、南アフリカで44年ぶりに世界を驚かせる確率は意外と日本より高いかもしれない。

2 件のコメント:

ask さんのコメント...

"強く信じるものがある"だけ、北朝鮮の方が"驚かす"準備ができてる感じがしますね。

パクチソン、チョンテセを発見した国、とかいわれるのかな、日本は。(なんなら、それでも十分な気がする。出来れば本田圭や宇佐美や山田直も世界に"発見"して欲しいけど)

秋山光次 さんのコメント...

日本の若い世代は世界を認識できているという意味では少しは可能性を感じますよね。

ダメなのは日本リーグ時代の人たちが指導部の中枢にいて、しかもその人たちが知識はあっても必ずしも世界の潮流を自分たちのものにできていない(体で分かっていない)ところに、根本的な問題があるような気がします(だったら分かっている指導者を呼ぶべき)。

だとすれば、潮流なんか度外視して愚直なまでに“強く信じる”独自のスタイルを貫くアジア的蹴球が信条のかの国の連中の方が、ある意味、清々しさを感じます。やつらはそれで一度世界を驚かせていますからね。