2011年11月22日火曜日

辛亥革命から100年


土日の校了の合間に辛亥革命を描いた映画『1911』を観に行く。
今年は辛亥革命100年で、ちなみに主演のジャッキー・チェンも映画主演作100本目にあたるということだそうだ。

ジャッキーは中国同盟会で軍事部門で孫文(ウィンストン・チャオが好演)と肩を並べる革命指導者・黄興を演じるが、映画自体はこの二人の友情物語、同志愛を中心に、1907年の女性革命家・秋瑾の処刑、1911年に失敗に終わった黄花崗起義(3.29広州起義)、10月の武昌起義から1912年1月1日の中華民国成立までを描いている。

『レッドクリフ』のスタッフが制作を担当したということで戦闘シーンはなかなか見どころはあるものの、話自体は孫文の外国での華僑への支持訴えや列強の清国に対する鉄道借款を阻止する活動と、黄興の戦いが、どうもエピソードをかいつまんで駆け足で説明していくため、なんだか落ち着かない。
併せて清朝内の袁世凱の暗躍などもきれぎれに挟み込んであるので、よほど辛亥革命の経緯を知る人間じゃないとなかなか相関関係が判りにくいのではないだろうか。
またラストも孫文が宣統帝退位の見返りに袁世凱に臨時大総統の座を譲るまでなので、革命の達成感がないままあっさりと途中で終わってしまう印象を感じてしまう(まあ清朝崩壊までが辛亥革命だから仕方がないのかもしれないが)、少なくとも、その後の第2革命や、護国戦争(第3革命)までの道筋まで示してほしい気がした。

興味があったのは革命の功労者・汪兆銘の描かれ方だったが、さすがに中国・香港合作ということで後に漢奸になってしまった人なので、まあ、良くは描かれないと思ったが、やはり軽挙妄動する若僧的な描かれ方で、ちょっと可哀そうだった。また米国人同志の登場はあるが革命初動期や武昌起義で活躍した山田良政らの日本人たちは当然ながら無視、わずかにコメント内で宮崎稲天の名がでてきたのみだったが。まあここまで望むべきもないがこの時代の東アジアの関係性をもう少し掘り下げても良かったような気もする。

武昌起義の際に掲げられた湖北軍の軍旗・鉄血十八星旗は初めて見たが、なかなかデザイン的にカッコ良い。
戦いの末に掲揚され、兵士たちがそれを見上げるシーンはちょっとぐっときたけど。

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