2010年6月17日木曜日

熱戦続く


日本代表のジャイアントキリングの興奮冷めやらぬ中、熱戦が続くワールドカップグループリーグのファーストレグはついに一回り。
以下試合の観戦雑感であります。

14日
●グループE「オランダ2-0デンマーク」
日本と同組のヨーロッパ勢の対決。ボールを支配するオランダに対し守備的にカウンターを伺うデンマーク。前半はこう着状態、後半に入ってよく守っていたデンマークが痛恨のオウンゴール。攻めに出ざるを得ないデンマークだったがエースストライカーのベントナーも負傷で下がり攻め手を欠く。オランダの交代で入ったアフェライ、エリアらのスピードある攻勢でカイトが止めを刺す。オランダ順等に勝ち点3を獲得したのだがロッベン抜きでもグループリーグではやはりずば抜けた強さであることを印象付けられる。

●グループF「イタリア1-1パラグアイ」
イタリアのファンタジスタ、ピルロは怪我で欠場。それでもイタリアが圧倒的にゲームを支配する。引きながら耐えていたパラグアイもロングボールで反撃。ワンチャンスをものにして劣勢のパラグアイが先制してしまいゲームはこれで面白くなった。後半も攻めるイタリア、守ってカウンターのパラグアイという構図は変わらないがセットプレーからデ・ロッシがやっとゴールをこじ開けなんとか追いつく。イタリアは例年優勝候補の一角を占めるが、前大会優勝国としては不安な出だし。戦力的にもオランダやスペインと比べると見劣りしてしまう。フランスとともに“古い井戸(byオシム)”と化したか?

15日
●グループF「ニュージーランド1-1スロバキア」
今大会のアウトサイダー筆頭のニュージーランドが初出場とはいえ分離前は欧州の強国のひとつであったスロバキアに挑む。しかしながら技術、経験の差はいかんともしがたく圧倒される中、なんとか1点のビハインドで耐えていたが、この集中を切らさずに我慢を重ねていた健闘が実を結ぶ。最後のロスタイムでパワープレーで上がっていたDFリードのヘッドで殊勲の同点弾。オールホワイツの勝ったかのような歓喜が微笑ましい。次戦もこの勢いで臆することなくイタリアにチャレンジして欲しい。

●グループG「コートジボワール0-0ポルトガル」
死の組といわれるG組の星のつぶし合いの第1戦は白熱の好試合。エリクソン監督の就任で個人技に組織力を持ち込んだコートジボワールがC・ロナウド擁するポルトガルに互角の展開。特にロナウドには徹底マークで仕事をさせず、後半、骨折から驚異的に復活したドログバの投入で勝負をかける。ポルトガルも最後まで攻撃の手を緩めず一進一退の攻防が繰り広げられ結局スコアレスで痛みわけ。グループリーグにはもったいないようなハイレベルの戦いに感嘆。

●グループG「ブラジル2-1北朝鮮」
国歌吹奏で感激のあまり号泣したチョン・テセの姿を見ればやはり肩入れしたくなるのが人情。そんなこちらの思い以上に、テセはじめ北朝鮮イレブンの果敢な戦いに胸が熱くなる。ボールポゼッションは6対4でブラジルが圧倒、怒涛の攻撃にアン・ヨンハッを軸に気力で跳ね返す北朝鮮。もっともランキングが離れたカードも弱者の健闘で前半はなんと0-0で折り返す。後半マイコンの技ありの先制弾で均衡が破られると耐えていた糸が切れたかのようにエラーノに得点を許してしまう。疲労困憊の北朝鮮だったが終了間際テセがロビングボールを落とし走りこんできたチ・ヨンナムが目の覚めるようなシュートを決めて意地を見せる。66年のイングランド大会に続き北朝鮮が再び世界を驚かせる。

16日
●グループH「ホンジュラス0-1チリ」
南米予選2位通過のチリはアグレッシブな攻めのサッカーを展開。ファインプレーを連発したGKはじめよく守っていたホンジュラスだったがやはりサッカーの質が1枚上手であるのは否めない。1点しか取れなかったがチリの順当勝ち。TBSも日本戦の代償でつかまされた感のあるカードだったがゴールデン枠の放送にしては地味ながらファンにとっては凄く面白かった。

●グループH「スペイン0-1スイス」
優勝候補筆頭のスペインが、雨あられとシュート見舞いながら、スイスの堅守にどうしても1点が取れない。逆に後半早々数少ないチャンスにスイスがカウンターからフェルナンデスが値千金の先制ゴール。焦るスペインに身体を張って守り抜くスイス。怪我のトーレスも投入し総攻撃を仕掛けるが無情にもタイムアップ。スイスが緒戦で大金星の勝ち点3。今後スペインはチリ、ホンジュラスに取りこぼすことなく勝ちぬけられるのか?波乱の展開で大会の行方はさらに面白くなった。

2 件のコメント:

ask さんのコメント...

アジアがフルボッコされると枠減!がいわれますが、むしろ強豪国はGL初戦のスパーリング相手に格下を要求したいでしょうね。

ただ日×亀、西×瑞みたいな後ろ向きフットボールが流行り始めると、困ったことになりそう。

秋山光次 さんのコメント...

54年のスイス大会では日本を破って出場した韓国が2試合で16失点でしたから、半世紀たって大分進歩したのでは?
プラッタ―が会長のうちはマーケティング考えるから枠減はしないと思われ。
金持ちには喧嘩せず、てか。