2014年12月2日火曜日

時代の終焉

昭和という時代が終わっていく。
何年から前から、戦後に活躍してきた人たちの訃報を聞くたびに言われてきた言葉であるが、無理もない。もうすぐ平成も27年目だ。それにしても高倉健、菅原文太という東映の大スターの相次ぐ訃報は、昭和の終焉という以上に自分自身のこれまでの人生の大事なものが朽ち果てていくような悲しみを感じさせる。

しかも、戦後という時代が、それ以前の時代の文化が戦火とともに灰燼と帰したところから、貧しくても先の曙光を信じられる時代だったが、いま終わろうとしている時代の先には、明るさは見えてこない。菅原文太の晩年の社会的な発言の裏には、そんな危機感もあってのことだろう。

『仁義なき戦い・頂上作戦』で広能昌三は、敵味方に分かれてしまったかつての仲間・服部武にこんなことを言う。
「もう、わしらの時代は終いで...18年も経って口が肥えてきたけんのう。わしら、もう野良突くほどの性根はありゃせんのよ」

自分もこれからそんなに遠くなく老境を迎える。野良突くほどのことをやってきてはいないかもしれないが、身にしみる台詞だった。
この脚本を書いた笠原和夫もいまはもう亡き人である。

高倉健、菅原文太両人の不在。何ともやりきれない。

合掌。

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