2012年7月23日月曜日

10代のことなんてついぞ考えてなかったが


 現在、仕事で受けている雑誌の特集企画が進んでいるが、テーマは「いまどきティーンの実態」。
齢50を超えて、自分の息子より若い世代のことを調べなきゃならないのだが、バブルを教科書で習った(!)という連中がどんなことを考えてこの危機的な世の中を見ているかは結構興味がある。もちろん時代の変遷で彼らの考えに理解しがたいことも多々あろうが、思えば自分たちだって大正生まれや昭和ひとけた生まれの親たちの世代から同じように思われてきたので、わからないのはいつの世代だって同じことだ。

 きっかけはとある出版社からニコニコ動画にハマっている中高生に向けた企画の相談を受けたことで、大体そんなものに10代の連中が一生懸命になっている事すら知らなかった。件の雑誌の企画会議でちょっと知ったかぶりで伝聞したことを披露したので、それじゃということで特集することに決まってしまった。言いだしっぺが担当することを考えると余計な事を言わなければよかったとちょっと悔やんだが、雑誌の発行先であるテレビ局が乗ったのも、少子化で数は減っているもののだからと言って今後の視聴者の主体へとなって行くであろうこの世代のことは研究する必要があったのだろう。

 数年前に博報堂の生活研究所がまとめた「10代のぜんぶ」(ぽぷら社刊)という本がある。既に絶版となってしまったが2004年から2年間にわたって調査した10代のヒアリング調査で構成されていて、携帯電話に依存する彼らのコミュニケーションの取り方とかはなかなか参考になる。それから数年たってスマホの時代になって生活自体がどう変わっているのだろうか?時代のスピードが著しく早まっていて、情報ツール自体も日進月歩かわっていくわけだが、この本でも分析していた「自分の将来に対するイメージ」なんかはそれほど変わったかといえば、そうでもないような気がしてくる。自分の頃だって明確な将来のビジョンなんて持ってるやつはそんなにいなかった気がするし、大人になって行く過程で直面する事態に影響されながら変わって行くものではないのだろうか。
 
 年をとると「俺らの頃は」とつい言いがちだが、そう言いたくなるのを抑えつつ今後の調査の結果の進展を見ていきたいと思う。しかし、少子化、衰退する経済、3.11以降混迷する日本人の状況を考えると、いまの10代の行く末はなかなか厳しいんだろうなと心配せざるを得ないが、まあ自分たちもそのうち老いて彼らに依存するわけだから自分たちの問題でもあるのだけど。

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