2011年10月23日日曜日

映画祭1作品目


週末から東京国際映画祭が開幕。なんだかんだもう1年たったというのが実感。
今年は仕事の関係上、どうしてもスケジュールがとれずに台湾映画3作品だけ前売りを買っているが、これも無駄にならなければいいなと願うばかり。
日曜日の朝から初っ端の銀座シャンテシネマ1で上映される『運命の死化粧師』(原題/命運化妝師 MakeUp)を観てきた。台湾では6月に公開されたばかり。台湾のスーパーモデル隋棠(ソニア・スイ)の初映画出演作品で話題を呼んだらしい。主演は謝欣穎(ニッキー・シェ)、金馬奨助演女優賞を取ったことがあるというから期待の新進女優というところか。上映前この二人と監督の連奕琦(『海角七号』の助監督)と脚本家の舞台挨拶があったのだが二人のセクシーなドレス姿と美脚ぶりに朝からいい眼の保養になった。

映画は、葬儀社の化粧師(いわゆる日本の納棺夫=おくりびと)の女性が、ある日搬送された死体を見たら自分の高校時代の音楽教師だったことから始まるサスペンス仕立ての物語。実はかつて二人は教師と生徒の関係を超えた(いわゆるエス)秘めたる交際をしていた間柄という過去を持っている。女教師はレズビアンなのに精神科医の夫(呉中天)がいることとあわせ、妊娠中絶していたし、服毒自殺なのに解剖の所見がない。しかも死因を疑う刑事(張睿家)がつきまとう。果たして女教師の死の真相は?という概要なのだが、まあサスペンスタッチの話の展開と平行して教師と生徒のかつての恋の記憶がテンポよくかつ情感たっぷりに描かれていて、そこそこ楽しめる。ただよく考えてみると主人公が職業的に死化粧師である必然は別に無いような気もするが(警官でも医者でもいいじゃねえの)、監督が言うには先に死化粧師というプロットがありきということだったらしい。

化粧師役の謝欣穎はひっつめ髪で眼鏡のキャリアガールと思い出の中の女子高生の二役で、なかなかその年齢差も上手く演じ分けられていて魅力もある。スーパーモデルの隋棠は美人は美人だが日本の女優のYOUっぽい顔立ちでいまいち好みではないけど、二人の女同士のラブシーンは美しいし、彼女たちが逢う瀬を重ねる台中郊外だろうか、人気のない送電線のある原っぱの空が広い光景もなかなかいい。
ストーリー的には平板な感じでせっかくの死化粧師というプロットも、まあテレビドラマの「科捜研の女」の域を出ないが個人的には十分楽しめる作品だった。

しかし『運命の死化粧師』って日本語タイトル、もう少し考えてくれよといいたくなる。

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