2010年2月15日月曜日

対症療法しかないけど


1967年以来の代表サポとして思えば、この40年間で色々な記憶に残る試合があった。
もちろんメキシコ五輪の予選や、ドーハ、ジョホールバール、3度にわたるワールドカップ本大会などのビッグゲームは当然だが、親善試合やアジアローカル選手権にしても忘れられない試合は沢山ある。それは必ずしも勝利に酔った試合だけではなく苦い思いを味わった試合も含めての話であり、Jリーグ以前ではその嫌な記憶の試合の方がむしろ多かった。

昨夜は日韓戦の試合前にそんな苦楽を共にした昔話を語れるオールドサポーターたちとの会合があって、楽しいひとと時を過ごした。その数時間後にまたまた記憶に残る試合にでくわすことになるとはそのときは思ってもいなかった…。

敗北自体はいいとして、また東アジアのタイトル自体にそんなに固執するわけでもない。問題は4度目のワールドカップ本大会への直前でチームとしてその準備がまったく進んでいないということを思い知らされた試合として、昨夜の日韓戦は頭に焼きついた試合となってしまったことである。
いったいいままで何をやってきたのか、ベネズエラや香港相手であまりよく見えていなかったチームとしてのダメさ加減が、実力が伯仲するアジアの本大会出場国とのほぼ本気の試合でこんなにはっきりと見せつけられれば失望も大きいし先行きが本当に心配になってしまう。

どこかのメディアのブログでも指摘されていたが、一番の問題は韓国と違っていかに国内組といえどメンバーがいつも固定されていて競争原理が働かないこと。点が取れないFWは代表から落ちるのがごく当たり前といえば当たり前だ。かりに大久保が韓国にいたら彼は2008年以来Aマッチノーゴールという事実だけで代表招集はされないはずだ。また、タレントが揃っていると言われる中盤にしたって、ならば誰が生き残れるのか必死にしのぎを削るはずだ。“岡田ジャパン”にはそんな厳しさが全く気配すらない。状況に応じた試合運びや攻撃の工夫はもちろんなのだが、それ以前の“闘う集団”としての前提からして出来ていないことに、たまらなく不安を感じてしまうのだ。
いみじくも「このメンバーに海外組を加えれば」と岡田はコメントしていたが、結局はそれだけのボトムアップしか策がなく、それでオランダとデンマークとカメルーンに勝ち、決勝トーナメントでブラジルやアルゼンチンに勝とう(ベスト4になるためには)ということなのだろうか。笑止である!

犬飼会長はこの時期の指揮官更迭のリスクから続投を示唆していたが、確かにこの時期で劇的な戦力向上があるとは思えない。だがしかしこのまま座して死を待つわけにはいかないだろう。病巣部には対症療法で対応するしか延命できないのなら最善の治療をするべきだ。たとえその結果がおもわしくなくともである。

0 件のコメント: