2008年9月24日水曜日

アジアの歌姫


アジアの歌姫・アーメイ(張恵妹)の日本初ライブを観てきた。
会場は赤坂ACTシアター。今年59公演を果たした『トゥーランドット』のスタートとなった東京会場という思い入れのある小屋が初ライブにあてられたわけだが、上海ではスタジアムに8万人集めた中華圏の大スターにしては実にこじんまりしたキャパのホールである。これも日本での知名度を考えればいた仕方がないが、逆にファンにとっては近くで彼女のステージが観れるわけだからこんなにラッキーなことはない。

客層的には日本在住の華人を中心に、『トゥーランドット』で彼女を知った女性を中心にしたミュージカルファン、そしてそれほど多くはないが熱狂的なC-popファンといったところなのだろうか。
朝日新聞のインタビューでも語っていたが“まずは私のことを知ってもらいたい”ということで、現在行われている世界ツアー「STAR TOUR」の内容をちょっと変えて特に日本用に構成した演目になっている。

で、肝心のライブはというとオープニングからパワー全開。彼女の抜群のリズム感に乗せたダンスナンバーでいきなり場内を盛り上げた後は、最新アルバムのナンバーはもちろん、バラード系の昔のヒット曲、テレサ・テンや会場にも観に来ていた王陽菲菲など日本で活躍した先人へのリスペクトをこめた日本語でのカバー、原住民の出自を強調した民族曲や沖縄の曲までバラエティにとんだ内容で約2時間半のステージをエネルギッシュに踊り、熱唱した。
個人的には、アーメイのデビューから時間を置かずに台湾、シンガポールに駐在していたので、大スターへと成長していく彼女の姿を横目で見ながら日々過ごしていたこともあって、台湾でも果たせなかったナマのステージを観ることができただけで大満足。「聴海」「解脱」といった当時耳に親しんだ曲は思わず一緒に口ずさんでいたくらいだ。

さて、名実ともにアジアナンバーワンのシンガーが、果たして日本でもこれから活躍できる余地があるのだろうか?もとより原住民の出自ということで家族的にも幼い頃から日本語は耳に親しんできた言語とあって日本語に関してはもう少し練習さえすれば問題はないと思うが(いまでも聞いて意味は理解できるようだ)、演歌以外で活躍できた例が少ないだけに、アジアの大スターとはいえなかなか前途は厳しいものがあるのも事実。
今回のライブは2日間限定だが、彼女の実力に魅了された日本のファンが今後も少しでも増えていくことを願ってやまない。
我們熱烈支持,愛你阿妹!

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