2014年9月10日水曜日

平和の申し子だった聖火ランナーの死


昭和20年8月6日、広島生まれ。
平和の申し子として、1964年10月10日、秋晴れの国立競技場の聖火台への長い階段を一気に駆け上った青年。

東京五輪聖火最終ランナーだった坂井義則氏が亡くなられた。享年69歳。

ある年代以上の人ならば、だれしもが知る名前だが、以前氏の勤務先だったテレビ局の企画会議で、定年退職された本人に五輪放送に関してのインタビューを提案したら、若い局員が誰もその名を知らなかったのに愕然とし、時の流れの速さを痛感したものだ。

2020年には観客席で成果を仰ぎたいという氏の望みもかなうことはなかった。

まったく趣を異にする新スタジアムを知らないままに、あの栄光の記憶が最後のイメージであったであろうことは、幸せなのかもしれない。

謹んでご冥福をお祈りしたい。



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