2013年3月27日水曜日

拾い物アクション





久々の業務試写は英・米合作の『ビトレイヤー』(エラン・クリーヴィー監督)というクライムアクション。合作といってもリドリー・スコットが製作総指揮というだけで、舞台はロンドン。出演陣も『つぐない』のジェームズ・マカヴォイ、『ゼロ・ダーク・サーティ』のマーク・ストロング、『ウォリスとエドワード』のアンドレア・ライズボローとほとんど純英国映画。

腕利き刑事役のマカヴォイが宿敵の犯罪者を追う中で、警察権力を含めた大きな陰謀に巻き込まれ、いつの間にか宿敵の犯罪者と共闘し巨悪と戦うストーリーなのだが、英国製の割にはそこはリドリー・スコットがかんでいるだけあって、ドンパチもハリウッド顔負け。なによりもロンドンの夜の街並みが近未来的にスタイリッシュに描かれていてあの古めかしいビッグベンとか観光名所が一切出てこないのが逆に新鮮に映る。組織からはじき出されたマカヴォイと警察の陰謀で息子を殺された犯罪者ストロングの傷をなめあうような関係もなかなか良い味が出ている。

ただマカヴォイがやたらに古傷(以前その宿敵に撃ち抜かれた)の膝からたまった水を注射器で絞り出すのは、尖端恐怖症の小生にはいささか不快だったが、まあまったく予備知識なしに観に行って思わぬ拾い物をしたような気分で楽しめたのは確か。

5月4日から新宿シネマカリテほかで公開されるが、アクションの割には今一つ配役も地味だし、リドリー・スコットの名前以外に宣伝のセールスポイントもないので、おそらくヒットは期待できないかもしれないが、万が一(失礼!)観た人はきっといい拾い物をしたと思ってくれるハズ。

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