2012年4月15日日曜日

ザッツエンタテインメント


先週本年度アカデミー賞5部門受賞の『アーティスト』(ミシェル・アザナヴィシウス監督)を地元のシネコンで観て来た。映画愛に満ちた噂にたがわぬ素晴らしいエンタテインメントで、全編隅から隅まで20~30年代のムードをつくりこんだオタク魂に感嘆!主演の二人以外にも(犬のアギー含め)脇を固める顔ぶれもいい。ひいきのぺネロープ・アン・ミラーも出演していたので(嫌な役だったけど)個人的には大満足だった。色々なシーンで過去の名作にインスパイアされた描写やスコアが散見されるし(「めまい」でキム・ノヴァクからはクレームついたらしいが)マルコム・マクダウェルのカメオ出演映画などもファンにとってトリビア的な楽しみ方も出来る。ラストはアステア=パウエルの「踊るニューヨーク」へのオマージュなのだろうか?思わずYoutubeで再確認してしまった。
こういう映画を企画するユニークな発想と、それを商業的な作品へと作り上げ、ヒットさせる文化的な素地は素晴らしいが、これがハリウッドではなくフランスの映画青年たちの手によるところも考えさせられる。まあだからこそ消え逝くフィルム映画の惜別をこういう形で表現するエスプリとかは外からじゃなければ気がつかないのかもしれないな。

それにしてもサイレントという原点に立ち戻り、映画は楽しいと改めて感慨に浸らせてくれる作品であった。

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