2013年1月28日月曜日
野口健氏の活動から
先週A誌の取材でアルピニストの野口健氏のインタビューに立ち会った。野口氏は登山だけではなく、環境問題などの分野で広く活動されているので話題は多岐にわたったが、印象的だったのは定期的に継続中の戦没者の遺骨収集活動のこと。
山で遭難したパートナーを残して下山した経験や祖父の戦争体験が、この活動に携わる契機となったそうだが、特に野口氏の祖父は陸軍33軍参謀でインパール作戦に従軍し「白骨街道」とまで言われた凄惨な戦いを生き残った。戦後平穏な生活の中で孫に囲まれる境遇になればなるほど、死んでいったものに対する負い目でわが身を苛まされたという話を生前よく聞かされたそうである。
この話を聞いていてアルジェリアでのイスラム武装組織による襲撃で多数の日本人企業戦士の犠牲者を出した事件で、運よく生きて戻った人たちのことをちょっと思い起こされた。彼らもまたこれから人生を終えるまでのまでの長い時間を亡くなった同僚に顔向けできずに思い悩むことだろう。
犠牲者を深く悼みつつ、生きて帰還した人たちの心休まらんことを祈らざるを得ない。
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