2014年4月29日火曜日

週間呑みアルキスト4.1~4.29


●4月1日
会社設立9周年。なんだかあっという間のような気もするが、よくぞこんなに儲からない会社を9年間も続けてきたなあと、妙な感慨にふける。久々に旧知の友人HT氏と会食。新宿の台湾料理の老舗『中国菜館』へ。まあ台湾料理といっても普通の中華料理とたいして差別感はないのだが女将さんのアットホームな接客が居心地よし。紹興酒をしこたま飲んで歌舞伎町のスコッチBAR『HAZELBURN』で締め。

●4月2日
BB社の仕事で奥寺康彦氏と金子勝彦アナの対談のため横浜ベイシェラトンへ。懐かしのTX『三菱ダイヤモンドサッカー』とブンデスリーガの70年代の話をたっぷり聴かせていただいた。金子さんは御歳80。ちょっと痩せられたがまだまだお若い!数キロはあろうかと思う70年代の放送資料がぎっしり詰まった大きなカバンを持参してきていただいた。対談終了後BB社SZ氏、ライターFZ氏、カメラマンKT氏と近所の居酒屋『天下鳥横浜駅西口店』でお疲れ様の一杯。

●4月6日
週末からBB社の入稿もあって休日出勤。夜のボクシング中継に間に合うようにビールを買い込み急いで帰宅。WBCフライ級の八重樫東、ライトフライの井上尚弥のダブル世界戦。二人とも素晴らしいファイトで八重樫は3度目の防衛、井上はデビュー6戦目にして王座に就いた。八重樫は次戦でおそらく最強王者ローマン・ゴンザレスとの統一戦に挑むことになりそうだ。若きモンスター井上とともに今後が楽しみだ。

●4月7日
ライターKR氏から急遽ボブ・ディランのコンサートのお誘いがあり、台場の「Zeppダイバーシティ」へ。約2時間の立ち見は正直つらかったが、アメリカンレジェンドの熱演に文句は言えまい。小さい小屋だけにスタジアムコンサートと違った臨場感は楽しめた。しかしポール・マッカートニー、ストーンズと立て続けに高額コンサートが続くので出費がかさんでしまうのは頭が痛い。5月にまたポール来るっていうし…。コンサート終了後ゆりかもめで新橋に出て『ビヤホールLION新橋店』で渇いたのどを潤す。

●4月9日
編集者KN氏の紹介でアジアの俳優のキャスティングを担当しているKM女史と会食。近所に出てきてくれるというので近場の飯田橋のイタ飯『スグニッツォ!』を指定。かつてK社在籍時によくランチに通った店で久々の訪問。KMさんのマネジメントしている俳優さんの出演作を昨年の東京国際映画祭で観ていたので話は弾む。アジアのエンタメ話で遅くまで話し込んでしまった。

●4月10日
3月18日以来、「サービス貿易協定」反対で台湾の立法院を占拠していた向日葵運動の学生たちが、両岸協議監督条例が法制化されるまで審議を行わないという王金平立法院議長の声明を受けて退去した。占拠以来こんなに長くniconico生中継をつけっぱなしで観ていたのは初めてである。学生たちの理性的な抗議活動に感心したり中国化を進める馬政権に憤りを感じたり落ち着かない日々ではあったが天安門事件にならないところが台湾の民度の高さを示していたのではないだろうか。

●4月12日
マニー・パッキャオがWBOウェルター級で因縁のティモシー・ブラッドリーと対戦。昼からWOWOWの中継をビール片手で楽しむ。パっキャオがなんとか判定で退けたが往年の絶対的強さに衰えを感じる。メイウェザーとの対戦は実現するのだろうか?

●4月16日
韓国でひどい海難事故。多くの修学旅行の中学生たちが犠牲になるも船長始めスタッフたちの無責任な対応や、政府、対策本部の無策ぶりは目を覆いたくなる。

●4月19日
NHKの土曜ドラマの浅野忠信主演『ロンググッドバイ』が面白い。勿論チャンドラーの原作がベースなのではあるが舞台を昭和30年ころの東京にしたところがみそ。東京だけにチャンドラーというよりは久生十蘭のようになってしまった感もあるが、当時の雰囲気をがんばって作っているのに好感が持てる。次回がちょっと楽しみに。

●4月20日
K社GT誌のワールドカップ別冊の打ち合わせで編集のYZ氏、ライターFZ氏と打ち合わせ。これから1ヶ月はちょっと仕事がしんどくなりそうである。打ち合わせ後、神保町のイタ飯居酒屋『ピアンタ』でキックオフ懇親会、昔のロックで話が弾みFZ氏と渋谷に移動、老舗ロックBARの『Grandfathers』で調子に乗って深夜まで。久々のタクシー帰宅&二日酔い。

●4月23日
WBC世界バンタム級の山中慎介の6度目の防衛戦と、スーパーバンタムの長谷川穂積の3階級制覇への挑戦というWタイトル戦。ボクシングのぶっグイベントが続く。長谷川は壮絶な打ち合いでTKOで敗れ3階級制覇はならず、山中は驚異的な左がさく裂、圧勝で防衛した。会社から帰り際『明治屋2nd」 に寄ってマスターとボクシング談義。

●4月27日
ここのところ土日に出社し続け、GWも出社が予想されるためこの日はオフに決め込み、リニューアルなったマンション地下にの『QUEENS伊勢丹』で食材を買い込み家呑みに徹する。CSで昨年公開の邦画『舟を編む』を鑑賞。辞書は特殊な世界だが元いた世界の雰囲気を思い出す。なかなかおもしろかった。


 

2014年4月25日金曜日

こんなかっこういい爺いになりたい的な・・・

 久々に観た試写がジョン・タートルトーブ監督の『ラストべガス』(5月24日角川シネマ有楽町ほか公開)。とにかく内容よりも先にメンツで観なければと思わせる豪華共演(最近多いな)。何と驚くなかれマイケル・ダグラス、ロバート・デ・ニーロ、モーガン・フリーマン、ケヴィン・クラインとくりゃ、それだけで客呼べるちゅーもんだろう。それに彼らにからむ女性キャストが『バック・トゥ~』のメアリー・スティーンバージェンというから素晴らしい。

内容は58年前のブルックリンでつるんでいた悪ガキ4人組が、老境の域に達してそれなりの問題を抱えつつそれぞれの人生を送っている。ある日そのうちのひとり、実業家として成功している風のダグラスが長年の独身生活に別れを告げて娘のような歳の差婚をするという知らせが届き、結婚式のラスベガスでバチェラー・パーティーをやらなきゃいかんだろう、ということで4人が久々に再会し、いろんな偶然が重なりひょんなことからべガスを舞台に最高におしゃれで、ゴージャスで狂乱の一夜が繰り広げられることになるというストーリー。

まあ、みんな格好いい爺いたちだからこその痛快で愛すべきばかばかしさあふれる展開なのだが、でもやはり人間ひとしくやってくる「老い」ということのなんとも言えないアイロニーや、だからこその人生の晩年を迎えつつある男たちの生きざまが胸に沁みる。
「昨日まで17歳だと思っていたら、あっという間に老人になっている。心が老いに追いつかないんだ」なんて他人事とは思えないセリフにはちょっとほろりとさせられてしまう。

でもまあ、先日観たパチーノ、ウォーケン、アーキンの『ミッドナイト・ガイズ』はじめ、最近のビッグネームたちの元気な老人もの映画は本当にハリウッドのトレンドのようになってきた感じだ。アメリカだからといっても老人問題の深刻さは日本とそれほど違いはないとは思うけど、いかに脳天気で現実からかけ離れているとはいえ、しれっと笑い飛ばせるようなメンタリティは夢を売る工場=ハリウッドというテーゼからして王道なんだろう。
日本でも旭、錠、藤竜也とかで企画してくれないかな~なんてね。

それにしてもバックでかかる昔の音楽はみんないいなあ~、なんてノスタルジーに浸って、爺いもの作品の術中にハマってしまっている自分に気づいてしまうのが、ちょっとやるせないのだが。