久々に観た試写がジョン・タートルトーブ監督の『ラストべガス』(5月24日角川シネマ有楽町ほか公開)。とにかく内容よりも先にメンツで観なければと思わせる豪華共演(最近多いな)。何と驚くなかれマイケル・ダグラス、ロバート・デ・ニーロ、モーガン・フリーマン、ケヴィン・クラインとくりゃ、それだけで客呼べるちゅーもんだろう。それに彼らにからむ女性キャストが『バック・トゥ~』のメアリー・スティーンバージェンというから素晴らしい。
内容は58年前のブルックリンでつるんでいた悪ガキ4人組が、老境の域に達してそれなりの問題を抱えつつそれぞれの人生を送っている。ある日そのうちのひとり、実業家として成功している風のダグラスが長年の独身生活に別れを告げて娘のような歳の差婚をするという知らせが届き、結婚式のラスベガスでバチェラー・パーティーをやらなきゃいかんだろう、ということで4人が久々に再会し、いろんな偶然が重なりひょんなことからべガスを舞台に最高におしゃれで、ゴージャスで狂乱の一夜が繰り広げられることになるというストーリー。
まあ、みんな格好いい爺いたちだからこその痛快で愛すべきばかばかしさあふれる展開なのだが、でもやはり人間ひとしくやってくる「老い」ということのなんとも言えないアイロニーや、だからこその人生の晩年を迎えつつある男たちの生きざまが胸に沁みる。
「昨日まで17歳だと思っていたら、あっという間に老人になっている。心が老いに追いつかないんだ」なんて他人事とは思えないセリフにはちょっとほろりとさせられてしまう。
でもまあ、先日観たパチーノ、ウォーケン、アーキンの『ミッドナイト・ガイズ』はじめ、最近のビッグネームたちの元気な老人もの映画は本当にハリウッドのトレンドのようになってきた感じだ。アメリカだからといっても老人問題の深刻さは日本とそれほど違いはないとは思うけど、いかに脳天気で現実からかけ離れているとはいえ、しれっと笑い飛ばせるようなメンタリティは夢を売る工場=ハリウッドというテーゼからして王道なんだろう。
日本でも旭、錠、藤竜也とかで企画してくれないかな~なんてね。
それにしてもバックでかかる昔の音楽はみんないいなあ~、なんてノスタルジーに浸って、爺いもの作品の術中にハマってしまっている自分に気づいてしまうのが、ちょっとやるせないのだが。
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