2017年10月26日木曜日

祈りの場所にたたずみて

長らく台湾に関わってきたものの、いままで行く機会がなかった馬場町祈念公園をやっと訪れることができた。台風の影響で雨模様が続く中、ふっと青空が顔を出し、南国に秋の気配が漂う日曜日の午後、MRTの古亭駅から歩くこと30分。広大な青年公園に隣接する淡水河の川べりにその地はあった。ここが1940年代後半から50年代に国民党政権に「反乱分子」の汚名を着せられた多くの人々が処刑された慟哭の場所である。


広場中央に土盛られたモニュメントには今なお花が手向けられ続ける。
白色テロの殉難者たちが滔々と流れる淡水河を眺めつつ銃口の前に立たされた時、胸に去来したのは何だったんだろう。そんなことを考えると胸が締め付けられてくる。


夜中に突然ジープが家の前に泊まる恐怖の中、誰もが沈黙を強いられた暗く長かった時代からすでに半世紀以上が経過した現在、広場を歓声を上げて走る親子連れの姿、のんびりと散歩する老人たち、耳にヘッドホンをつけジョギングに励む若者、どこにでもある平和な日曜日の午後の風景が、目の前にあることが逆に胸に沁みる。
どうかこの平和をいつまでも見守ってください、深く頭を垂れながらしばらく祈り続けた。


母国はその日、嵐の中の総選挙である。戦争への記憶はすでに薄れつつあり、危険な時代の風が吹き荒れる予兆におののいている。




2017年10月4日水曜日

週間呑みアルキスト9.1~9.30



●9月2日
骨付き肉を卑しくしゃぶっていたら、前歯がボキッとへし折れてしまう。乳歯が生え変わった後、前歯を失うのは初めてのことでちょっと同様。根の部分は少し残っているが、果たして修正は可能なんだろうか?翌3日、日曜日は流山に鰻を食べに行く約束があったが、とりあえず歯の状態を診てもらうのが先決だろうと断りを入れる。地元で休日でも診療している歯科医を調べ、取り急ぎ予約を入れる。


●9月3日
ネットのアクセス地図を頼りに前日予約した歯科医院を訪ねるが、古い雑居ビルの中に入った年季の入った診療所だったので、少しビビる。年配の先生は幸い気やすい感じで少し安心。見立てとしては虫歯とかではなく「歯だって老化するからね」とあっさり。少し落ち込む。しばらくは治療に通う日々が始まることになる。


●9月6日
K社月刊TTV編集長のTK氏と彼の同期のWS氏、カメラマンのKG氏と四谷『徒歩徒歩亭』で会食。前歯がないので麺類が食べにくいが、痛みもないのでお酒も解禁。バー『3circle』にはしご。


●9月9日
所沢のくすのきホールで開催中の古書展へ。読まねばならないつん読の本が何冊もあるのに、ついつい数冊買い足してしまう。


●9月10日
WOWOWのエキサイトマッチで井上尚哉登場とあって、午前中から気合を入れてテレビ観戦。米国初上陸の井上が強さを見せつけるモンスターぶりを鮮やかに米国ファンに披露。メーンイベントのシーサケット×ローマン・ゴンザレス戦では、ロマゴンまさかのKO負け。マットに大の字になった姿に新旧交代の冷酷な時間の流れを感じてしまう。夕方からクリストファー・ノーランの話題の戦争長大作映画『ダンケルク』を地元のシネコンに観に行く。


●9月12日
東銀座の松竹試写室で『彼女がその名を知らない鳥たち』の試写鑑賞。後味が悪いストーリーではあったが蒼井優はじめ竹野内豊、阿部サダヲ、松坂桃李らの熱演が光る。


●9月20日
安室奈美恵引退表明のニュース。こちらも一つの時代終了。


●9月22日
会社帰りに『明治屋2nd』に立ち寄った後、新宿三丁目『Rusty’s Bar』へ。


●9月28日
臨時国会にて安倍首相が冒頭解散。小池百合子の希望の党に民進党が丸ごと身売り。小池は民進党左派は選別と宣告、枝野はリベラル新党設立への選択肢を匂わす。目まぐるしい政局だが、それにしても民進党の政治理念の欠落ぶりが際立つ。茶番。


●9月29日
編集ライターOK氏が来社。水道橋の『台南坦仔麺』で会食。


●9月30日
NHK朝の連続ドラマ前期の「ひよっこ」放送終了。j次週からのひよっこロスは確定だろう。