2013年1月28日月曜日

ライフ・オブ・パイの驚愕映像


今年のアカデミー賞11部門にノミネートされている話題のアン・リー監督『ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日』を観る。
動物園の動物たちを移送中に嵐に遭い、ただ一人生き残った少年とベンガルトラが救命ボートで大海原を漂流する話。

英国ブッカー賞を受賞したベストセラー小説が原作だが、サバイバルへの戦いと何度も陥る想定外の危機、設定の面白さとともに映像表現の美しさ、迫力に圧倒される。

3D映像が映画にもたらす視覚効果を本当に楽しむための作品的な完成度は、この映画以前と以後で大きく意味合いが変わるのではないだろうか?そう思わせるほどである。大自然の美しさと驚異の世界、生命とは何かという根源的な問い…。これをすべてデジタルイフェクトを駆使した映像のマジックで創造される。目の前のスクリーンで繰り広げられるファンタジックな世界を終始夢心地の時間を過ごしていた。

近年随一のヒットメーカーだが、この台湾人監督のマジカルな力量は計り知れない。エンタテインメントとはなにかを思い知らされた。

野口健氏の活動から


先週A誌の取材でアルピニストの野口健氏のインタビューに立ち会った。野口氏は登山だけではなく、環境問題などの分野で広く活動されているので話題は多岐にわたったが、印象的だったのは定期的に継続中の戦没者の遺骨収集活動のこと。

山で遭難したパートナーを残して下山した経験や祖父の戦争体験が、この活動に携わる契機となったそうだが、特に野口氏の祖父は陸軍33軍参謀でインパール作戦に従軍し「白骨街道」とまで言われた凄惨な戦いを生き残った。戦後平穏な生活の中で孫に囲まれる境遇になればなるほど、死んでいったものに対する負い目でわが身を苛まされたという話を生前よく聞かされたそうである。

この話を聞いていてアルジェリアでのイスラム武装組織による襲撃で多数の日本人企業戦士の犠牲者を出した事件で、運よく生きて戻った人たちのことをちょっと思い起こされた。彼らもまたこれから人生を終えるまでのまでの長い時間を亡くなった同僚に顔向けできずに思い悩むことだろう。

犠牲者を深く悼みつつ、生きて帰還した人たちの心休まらんことを祈らざるを得ない。

2013年1月21日月曜日

週間呑みアルキスト1.1~1.20



●1月1日
元旦の朝。今年のお神酒は「一の蔵」。遅い朝食で雑煮をいただき、すぐに恒例の天皇杯サッカー観戦で国立競技場へ。試合終了後会社の近所の三崎稲荷神社まで寄って初もうで。やはり会社のことは地元の神社祈念しないとね。

●1月2日
午後から前日に引き続き国立詣で。早大OBの兄のつてでロイヤルボックスでの観戦。帝京大がパーフェクトなゲームで早大を圧倒。決勝は4連覇を懸けて筑波と。観戦後、千駄ヶ谷駅近くの『P Style Cafe』で初外食。箱根駅伝の往路の結果は気になっていたが、母校は1区でつまづいたまま6位に、復路の巻き返しに期待。夜中のTXで「孤独のグルメ」第1シーズン一挙再放送、夜中に腹が鳴って困る。

●1月3日
朝から頂き物の茨城県は那珂市木内酒造が生産する地ビールを賞味しながら、箱根駅伝の復路で母校の応援。期待のエース出岐選手の出来(しゃれにもならん)が最悪、結局総合8位でなんとかシード権獲得。かつては本選に出れただけでも快挙だったのにここ何年シードが当たり前のような気になるから恐ろしい。

●1月5日
日中、高校サッカー、ラグビーを見ながら食っちゃ寝の日。深夜に近所のシネコンで「レ・ミゼラブル」鑑賞。凄い。

●1月7日
出社しても、あまり電話もかからず。ビールを飲みながら高校ラグビー決勝をテレビ観戦。常翔学園と御所実業の実力伯仲のチーム同士の激突。今年は正月休みが長いので食っちゃ寝が続き体重もコレステロール値もちょっと気になる。神保町シアター最後の回で昭和14年のお正月映画「鴛鴦歌合戦」鑑賞。

●1月8日
同じビルのT出版OK社長と、向いのデザイン事務所AKさんとすずらん通りの中華ダイニング『SANKOEN』で新年のご挨拶かたがた会食。

●1月11日
TN社のIB氏が来社頼んでおいたカレンダーを持ってきてもらうので、軽く呑みに誘うと次の届けものがあるとかで会社で一杯ごちそうする。ものたりないので『明治屋2nd』で遅くまで。

●1月12日
大学ラグビー決勝戦。帝京×筑波と両校ともそれほどの思い入れが無いが。正月に兄からまたまた国立のゴンドラVIPシートを譲ってもらったので、昨年凄く世話になったスポーツカメラマンのKG氏をお誘いする。観戦後、青山一丁目のもつ鍋居酒屋『青山元気』へ、元フットサル日本代表・相根澄選手が店長の店だが、さすがに正月の早い時間には出勤していなかった。

●1月13日
東京は朝から降り始めた雪が吹雪状態に。一歩も外に出ず飲んじゃ寝の1日。高校サッカーの決勝はさすがに19日に延期。

●1月15日
T出版のOK社長と帰りがてら神保町の中華『東方園』にてちょい飲み。客は終始2人だけ。外の道路の凍結が気になる。

●1月16日
今時珍しい銀座のホテルでの某調査会社の50周年感謝会にお招きされる。コートヤードマリオット銀座東武ホテルで500人規模の立食パーティー。アトラクションの景品抽選で4等賞で1万円の商品券を当ててしまう。こいつは春から縁起が良いぜと思いつつ、願わくばこれで運を使い果たさないようにいきたいものである。2次会で同席のライターSM嬢、TM嬢と銀座8丁目のBar『FAL』に久々顔を出す。

●1月19日
これまた超久しぶりの後輩の結婚披露宴出席。もう早々きることも無いだろうと思っていた婚礼用スーツがきつくなりベストのボタンがちぎれそうで、ベストはあきらめる。会場の明治記念館は朝から快晴、仲間に囲まれ幸せそうなTK君の姿を見ていると、祝儀の出費は痛いがやはりいいもんである。2次会は新宿野村ビルのアジアンダイニング『BALI Lux』を貸し切り。3次会で西口の居酒屋『黄金の蔵』で止め。午前中から夜9時過ぎまで飲み通しで披露困憊。


2013年1月16日水曜日

大島渚


年末に故小川徹の映画評論集『橋の思想を爆破せよ』を読んでいたばかりだった。戦闘的かつ孤高の映画評論家が、昭和42年に記したこの評論集の中で「われらの作家たち」という項に新藤兼人、大島渚、吉田喜重、武智鉄二、羽仁進、黒澤明をとりあげそれぞれ論評されていたのだが、特に大島については『白昼の通り魔』『日本春歌考』の2作品にスポットを当て、「戦後世代の政治世界への裏切りと、性の思想の関連において、かつてないほど自己を作品の表面に登場させてきた、といいうるのである」と熱く分析している。当時公開直後だっただけに小川の受けた衝撃も大きかったのだろう。

小川の独断に満ちた裏目を読んだ論評にはいささか鼻白む面もあるが、彼の本がきっかけで病床で闘病しているという戦後安保世代の映画監督の作品をもう一度観てみたいと思っていた。昨日の大島渚の訃報はその矢先のタイミングで少なからず驚かされたが、特にテレビのニュース等でことさら紹介される『戦場のメリークリスマス』『愛のコリーダ』といった大監督になってからの作品ではなく、革命運動を志し挫折し映像表現に自身とその世代の葛藤を投影させた松竹時代からATGに至る若き頃の作品の再評価をこそが、3.11以降に生きる我々に必要な気になってくる。

追悼ということもあるが、手元にVTRで残してある『青春残酷物語』『日本の夜と霧』のあたりからもう一度見直して見たいと思う。








2013年1月11日金曜日

美貌の友


試写第2弾はイギリス映画『ベラミ 愛を弄ぶ男』(デクラン・ドネラン、ニック・オーメロッド監督)。モーパッサンの長編小説の映画化で、19世紀末の退廃したパリを舞台に、貧しい兵士上がりの青年が、自らの美貌=性的魅力を利用して上流階級の奥様方を次々誘惑して新聞界でのしあがっていく話し。

“類まれなる美貌の持ち主=ベラミ(美貌の友)”を演じるのは『トワイライト』『ハリポタ 炎のゴブレット』で脚光を浴びたロバート・パティントン。籠絡される奥方たちはユマ・サーマン、クリスティーナ・リッチ、クリスティン・スコット・トーマスの3人。

類まれなる美貌という設定のパティントンなのだが、横顔のあごのしゃくれ方や髭の剃り痕とか観ていると、どうも元オウムの上祐サンを髣髴してしまい、一瞬似てるかもと思った時点で最後まで頭から離れなくなってしまって困った。上祐サンはともあれ19世紀の社交界の豪華な雰囲気とか特に女性の衣装とかはなかなか見ごたえがあり。


あの『アダムスファミリー』のウェンズデーだったクリスティーナ・リッチが20年経ってこんなに色っぽく成長するなんて思っていなかったよ、オジサンは。