2011年12月3日土曜日
次の時代を生きる子供たちへ
『愛のむき出し』『冷たい熱帯魚』と話題作を発表し続け注目の園子温監督の新作『ヒミズ』を試写にて鑑賞。
古谷実の原作のダークで暴力的な世界に撮影準備中に発生した3.11東日本大震災の荒涼たる背景を加えることによって、次の日本の世代が背負わざるを得ない困難な状況が胸に迫ってくる。この映画に登場する大人たちはどいつもこいつもロクでもない奴ばかり。クソくだらない世の中の落とし前をつけられない大人たちに対するアンチテーゼのような生き方を模索する主人公の中学生・住田こそが、絶望の中にわずかに灯る希望のように映る。ラストの「ガンバレ、住田」の連呼は聞いているうちに実に心に響いてきた。
園子温は評判通りの力量の持ち主であることがこの作品でもよくわかる。いまだ未見の公開中の前作『恋の罪』も観に行かねばなるまい。
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