2010年1月10日日曜日

お尻の穴から体内を覗く


年が明けてずっと憂鬱だった大腸の内視鏡検査を昨日やっと終えた。
とにかく黄門様に異物をいれるなんて齢55にして初体験、水揚げを待つ半玉というか大事なものをあげると決意した百恵ちゃんのような心境で予約の日をどきどきしながら待っていたのである。

これもすべては先月の健康診断で便潜血が陽性になり精密検査を要するという宣告が下ったためである。
陽性とはいえ内視鏡で癌が見つかる率は6%、たとえそこで癌が見つかったとしても自覚症状もない早期での発見の治癒率はほぼ90%以上ということのようなので、別にあたふたすることもないのだが、母親の家系は癌家系なので、これはいつか来る道と覚悟を決めたようなわけである。

いや~、ついに来たかという心持でさっそく病院探しを開始し、ネットで上手いと評判もよく場所も比較的便利、HPからカレンダーで予約を入れられるということでHクリニックを予約。さすがに人気もあるのだろう予約もすぐにというわけには行かず、年を越して1月ほど待つことになった。まあ世の中こんないっぱい内視鏡を待つ人がいるのかと思い少し気が楽になる。

経験者に話を聞くととにかく内視鏡の検査は腸の中を空にしなければならないので、当日検査までに飲む下剤の量が半端じゃなく、内視鏡の施術よりそれがつらいと聞いていた。
病院から送られた下剤キットと処方箋をみると確かに聞きしに勝る量だ。前日の夜からマニュアルに沿って投薬を開始する。
1.就寝前に最初のラキソべロン剤を水に溶かして飲む。これは翌日の排便のため腸を刺激するためのもの。私の場合は日頃から比較的快便なのでこれは軽くクリア。
2.当日の起床後、さらにラキソベロン剤をもう一度飲むとともに下剤のマグコロールPを800mlをやはり水に溶いて飲む。味はポカリスエットのような感じで意外と飲みやすい。しばらくすると効き目てきめんでトイレに駆け込むこと三度。宿便まですべて排出。全然OKである。
3.検査5時間前から、いよいよ本格的にマグコロールPに補助剤のガスコンを混ぜて1800mlを2時間かけて均等に飲んでいく。高校サッカーをテレビで見ながら以後3時間、トイレには10回ばかり観戦を中断し行くことになり、テレビ観戦もなかなか集中できなかったが、マニュアルに書いてあるとおり便はすっかり透明になり約4時間でおなかも落ち着いてきたので、病院をめざすため家を出た。

苦しいことは苦しいが、もともと便通はいい方なので、おなかが痛くなることもなくさほどの負荷ではなかったし、電車の移動中にもさらにトイレに行きたくなるようなこともないのでほっとするが、空腹感はないがおなかがやたら鳴る。ポカリスエットはOKということなので途中コンビニで補給、1時間もかからず予約時間の夕刻5時に病院のある本郷三丁目に到着する。

ビルの4階にあるこじんまりした歯医者を思わせるクリニックだが受付を済ませると、看護師さんがさっそく着替えの部屋へ案内してくれ、紙製の処置着とお尻に穴の開いたパンツを渡される。そしてついに目の前に大きなモニターがある施術代のベッドに寝かされた。
若い看護師さんから“初めてですか?”との問いに“はいまったく”と答えるが、体がこわばっているのがわかるのか“緊張しますよね~”と笑われてしまう。ああ、情けないorz

鎮静剤を打たれるといよいよ医師が登場、あいさつもそこそこに事務的に施術開始というか、体を折り曲げているので声だけしか聞こえないのだがなにやらごそごそとお尻のほうでやっているなと思ったら、いきなりモニターに腸内が映し出されていく。心配していたような痛みもなく、目の前の自分の体内光景に見入ってしまう。まるで映画『ミクロの決死圏』のようだ。
そして、“おお、あるある”と最深部の盲腸付近にポリープ発見。さっそく輪っかのような先端で切除し、そのあとに止血のためかクリップのようなものをかませて終了。
しばらく別室の簡易ソファのようなところで休んで、時計を見るとほぼ30分。着替えて医師からの説明を受ける。

ポリープは1箇所だったが、かなり大きいものだという。放っておけば癌化必至なのだろう。便潜血もやはりこいつが原因なのか、いずれにしろ放っておかないでよかった。組織検査の結果は後日メールで教えてくれるということである。検査費用は器具を新品を使用するオプションをつけて健康保険が利いて3万3千円。これで命拾いしたかと思うと安いものだ。

ずっと憂鬱だったが、終わってみれば別におかまを掘られたような痛みも衝撃もなく(もちろん快感もなく)あっさりと終わってしまったが、下剤の長時間服用の消耗とあわせてすっかり疲労困憊して家路に着いた。
結局、ポリープの大きさから考えるとかなりの危機的状況にいたということなのだろうが、自覚症状も当然あるわけではないので区の成人病検診をさぼらず、またオプションだった大腸がん検診も申し込んでおいて正解だった。
今回は未然にすんだが、まあ、歳も歳だし、今後も定期的な身体のメンテナンスはマストということである。
とどのつまり、今までのやくざな生活がそろそろいろいろなところにガタをきたしてきているわけで、いつまでも呑みアルキストと自認して悦に入っている場合ではないということなのだろう。

そんなことを考えながら医師から今後の諸注意を聞いていたが、つい“酒はいつから解禁ですか?”と聞いてしまう懲りない自分にあきれつつ、“馬鹿は死ぬまで直らない”のは確かである。

2 件のコメント:

ask さんのコメント...

おぉーっ、リアルガン退治。
素晴らしいです。

後ろから/裏から自分を覗くのもいいですな。ビデオは欲しい。下剤攻勢は苦しそうです〜♪

秋山光次 さんのコメント...

じつはプリントアウトしてもらった患部の写真ももらったのでUPしようかと思ったのですが、やはりちょっとグロいので控えました。
でも自分のはらわたリアルで観ることができるなんて医学も進んだものですよね。心配したアヌス異物挿入もスムーズで無事初体験を済ますことができました。