2009年9月10日木曜日
手放しでは
欧州での評価試合の2戦目は、3日前W杯本大会出場を決めたばかりのガーナが相手。
2点のビハインドを何とか跳ね返し4-3で競り勝った。
2-0となった時点でズルズルと崩れずに、最終的にひっくり返した結果は確かに評価されるべきであろう。
後半から入った玉田、稲本はよく機能したし、ゲームの流れを読んだベンチワークもまあこの試合に限ってはよかったのではないだろうか。
しかし、だからと言って手放しでは褒められない。
ガーナは3日前の最終予選スーダン戦で全力を投入したばかり、翌日飛行機に乗せられオランダまで移動、少なくともチームとしての練習は前日軽く流した程度だろう。こんな状況でガチで戦えと言っても不可能。チーム力としては8掛け以下と見るべきだ。実際、その身体能力もあるのだろう1対1の強さは言わずもがな(2点目中澤がぶっちぎられたのは凄かった!)、前半は引きながらの素早いカウンターで強豪の片鱗を見せつけたが、後半日本に追い上げられてからは足が全く止まってしまった。
このコンディションの悪い相手に前半からチャンスを何度も作りながら全くシュートが不発。お定まりの決定力不足で試合の主導権を逆に握られてしまった。前半に少なくとも得点で来ていたならもっと楽に勝てた相手だと言わざるを得ない。
収穫は稲本。7年間海外でもまれているだけあってフィジカルも見違えるほどだったしゲームを作るためにどう動けばよいのかもよく理解できていた。3点目のアシストも自身で決めた4点目も素晴らしいの一言。オシム、岡田体制では代表に呼ばれても控えにされることが多かったが潜在能力の高さを改めて示してくれた。
オランダ戦で力量不足の不安を露呈した代表ではあるが、ガーナ戦ではその不安を完全に払拭するにはいたらないまでも、根性だけは見せることができたとは言えるだろう。来年までにどこまで積み上げられ、どこまで新しい「ピース」をはめ込んでいけるのか。
岡田は“時間はまだある”と強気だったが、本番までの残された時間で今後どれだけチーム力をビルドアップできるのか、課題はまだまだ山積している。
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