2009年7月5日日曜日
変わりゆく駅
地元の西武池袋線石神井公園駅の高架化工事が着々と進んでいる。
2011年に完成予定ということで、この春以降だんだんとスピードが上がって工事が進んできた。
ちょっと油断しているとあれよあれよと風景自体も変化していくかのようだ。
もともと急行が止まる駅にもかかわらずエレベーターどころかエスカレーターさえなかった旧式の駅だった。しかも比較的高齢世帯の多い地区ゆえ、住民からはかねてからエスカレーターぐらい設置しろという請願は引きもきらなかった。私自身数年前に病気の義母を病院に送り届けるときにもわざわざ隣の練馬高野台駅までタクシーで経由して通ったことから、その不便さには閉口していたものだ。
現在は仮設駅にもエレベーターが設置されてずいぶんとお年寄りには楽になった。
実際計画自体は何年も前からあったのだが東京都と西武鉄道でやっと重い腰が上がってようやく再開発事業に着手したというわけである。"完成までには生きていない”と生前義母も恨めしげに語っていたのを思いだす。もう少し早ければと悔やまれてならない。
この駅自体の高架化改修工事、複々線化とあわせて、地元の名物だった“開かずの踏切”“狭い商店街のバス交差”という難問も同時に解消すべく、駅南口の周辺整備と新道路開通もこれから本格的に始まっていくことになるようだ。
気がつくと駅前に子供のころ(昭和30年代)からあった古い商店の金物屋やラーメン店も続々と廃業していて更地になっているところも多い。。泉麻人が消滅する前に記録したいと言って写真を撮りにきた踏切わきの自転車屋(丸石自転車の古びたホーロー看板がいまだに生存している)ももはや消えゆくのは時間の問題なのだろう。
便利になることは大いに歓迎すべきなのだろうが、こうした生活の記憶が消滅していくのは一抹の寂しさも感じてしまう。
そういえば石神井の名所のひとつでもある壇一雄邸も道路拡張計画にひっかかり立ち退きを余議なくされていると、壇ふみさんのエッセイに書かれていた。こちらのほうも早晩工事が着手されていくのかもしれない。
開発と環境の保全。未来へのプログレスと過去のメモリー。なかなか悩ましいテーマである。
これが完成予想図
昭和30年代の石神井公園駅(練馬区HPから拝借)バスの前にある大銀杏はいまだに健在。
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