2010年7月10日土曜日

ラウンド16 レベルの高い好ゲームが展開


日本代表ベスト16入りの壮挙は今大会をより面白くさせたのは確かだが、ここまでフランス、イタリアの不調や南米勢の伸張、アウトサイダーと思われた新興国の健闘など、今回の南アフリカ大会はワールドカップの面白さを十二分に感じる大会となったのではないだろうか。グループリーグのスリリングな星取りも終わり、いよいよ一発勝負の決勝トーナメントに突入した。組み合わせの妙というか決勝のカードでも良いような優勝候補国がトーナメントの初戦からいきなり対戦したりもするのもうれしいような惜しいような気がするが、大会もいよいよ佳境、頂点に立つのはどの国か?強豪同士の生き残りをかけた激戦に手に汗握る日々が続く。

6月26日
●ウルグアイ2-1韓国
歴代最強と謳われる韓国は、南米の古豪に対して開始早々から自信に満ちた攻勢を仕掛ける。しかしながらA組を1位抜けしたウルグアイは強固なディフェンスとスアレス、フォルランのカウンターで反撃し一進一退の激しい攻防が展開する。先手を取ったのはウルグアイ。フォルランのクロスをスアレスが押し込み、自慢の2トップでゴールを奪う。しかし韓国もひるむことなくポゼッションを支配しサイドからアタックを仕掛ける。
後半、韓国のFKからイ・チョンヨンが頭で決めて同点。さらに勢いづいて一段と攻勢に出るがウルグアイの粘り強い守備にチャンスをことごとくつぶされる。そうこうしているうちにCKからスアレスが決めて再びリードを許してしまう。韓国は終了間際にパク・チソンの折り返しからイ・ドングのミドルでゴールを捕らえるがウルグアイの必死のクリアでこの絶好機を逸して万事休す。韓国はここ10年で対ウルグアイ戦5連敗。またしてもこの壁を越えることは出来なかった。しかしNHKの韓国びいきの解説にうんざり。なぜ同じアジアということだけで一方的な身びいきをしなければならないのか理解できない。

●ガーナ2-1アメリカ
アフリカ勢で唯一決勝トーナメントに進んだガーナは圧倒的な応援を受け開始早々積極的に攻勢に出て、ボアテングが立ち上がりに先制弾を決める。試合が落ち着くとアメリカも持ち前のスピードで反撃、たまりかねたガーナDFはPKを与えてしまい、ドノバンが冷静に決めて試合を振り出しに戻す。その後両チームの一進一退の攻防が続くが90分で決着がつかず延長戦へ。足が止まりかけたガーナに対しアメリカの勝ち越しは時間の問題と思っていたが、ガーナのエースギャンが驚異的な身体能力を生かしてアメリカDFの裏へ飛び込み決勝弾を叩き込む。アメリカも最後まで全力を振り絞って追撃するもアルジェリア戦の奇跡の再現はならず力尽きる。

6月27日
●ドイツ4-1イングランド
欧州を代表する強豪同士の好カードとなったが、イングランドはグループリーグではあまり調子が上がらなかった。その好不調の差が出たのか序盤にドイツがクローゼの先制弾、ポドルスキーの追加弾でイングランドを突き放すが、イングランドもすかさずCKからアプソンが合わせて追い上げる。さらにランパードの強烈なミドルがドイツのバーを叩きゴールを割ったものの主審はノーゴールの判定、66年の因縁の決勝戦の逆をいく疑惑のゴールで同点のチャンスを逃してしまう。後半に入り前がかりになるイングランドの隙を突いてミュラーが立て続けにカウンターで得点し、気がつけば3点差でドイツの完勝。最後まで調子の上がらなかったイングランドに対しドイツのスキの無い強さが光った。しかしあのイングランドの幻のゴールが認められていたら試合の行くへはどうなっていたか、つくづく不思議な巡り合わせである。









●アルゼンチン3-1メキシコ
優勝候補筆頭のアルゼンチンに、メキシコは豊富な運動量で果敢に対抗する、しかしながらメッシ、テベスを止めるために守備に人数をかけざるを得ないので、なかなかポゼッションを取れない。アルゼンチンはメッシのミドルをテベスがDF陣の裏でボールを受けて先制。あきらかにオフサイドだったが主審も線審も見落としやらずもがなの1点を与えてしまう。動揺するメキシコにアルゼンチンの強力な攻撃陣はかさにかかって攻め、相手のミスパスからイグアインが2点目をゲットして前半を終える。後半メキシコも果敢に攻めるもののテベスの見事なロングシュートで3点目を決められ試合はほぼ決定してしまう。あきらめないメキシコはエルナンデスの得点で追いすがるが反撃もそこまで。エルナンデス、ドスサントスといったメキシコの若き才能の健闘は光ったものの、アルゼンチンの破壊力の前に粉砕されてしまった感じだ。イングランド×ドイツ戦に続きまたしても誤審が飛び出し試合の趣を壊してしまい、今後の判定基準に大きな論議を呼ぶことは間違いない。

6月28日
●オランダ2-1スロバキア
優勝候補のオランダが、分離独立後初出場で意気上がるスロバキアと対するが、やはり地力の差はいかんともしがたい。前の試合から復帰したロッベンがこの試合でも圧倒的な存在感で堅守のスロバキアDFを切り裂く。先制もロッベンがカウンターから持ち込んで強引にシュートしたもの。後半スロバキアも反撃に出るがFKからの素早いリスタートからスナイデルに追加点を決められてしまう。力をセーブしたオランダは終了間際PKで1点を返されるが危なげなくスロバキアの挑戦を退けた。

●ブラジル3-0チリ
南米同士の戦いとなったが、チリは優勝候補のブラジルに対し守備的にならずに積極的に攻撃を仕掛けていく。しかしCKからフアンに決められ先制を許すとブラジルが徐々にゲームを支配しだす。カカーとファビアーノの華麗なパス回しから追加点を取られると完全なブラジルペースに。後半はロビーニョが3点目を決め試合を決定つけると、あとは余裕のパス回しで無理をせず手堅く勝利する。ブラジルの優勝に向けたチーム力は万全と印象付けられた試合だった。

6月29日
●パラグアイ0-0(PK戦5-3)日本
史上初のベスト8進出の夢をかけ、日本は国民の期待を背負って未知の領域への戦いに挑んだ。守備的な日本はパラグアイにポゼッションを与えるものの決定機を与えず反撃のチャンスをうかがう。日本のカウンター攻撃にパラグアイも南米一の堅い守備で跳ね返し90分間ではジャブの応酬にとどまり、延長勝負となった。日本は今大会初の中村憲剛の投入で局面の打開を試みるが決定機はなかなか作れない。逆にパラグアイの反撃であわやのピンチを迎えてしまうが何とかしのぎきり、ついに大会初のPK戦に。3番手の駒野がボールをバーに当ててしまい、これで日本の夢はついえてしまった。日本の健闘は讃えられるものの試合はレベルの低さを露呈してしまい、トップのレベル差をつめるにはまだまだ時間がかかることを思い知らされる結果だったといえよう。

●スペイン1-0ポルトガル
イベリア半島対決。なかなか調子の上がらなかったスペインだったが持ち前のパスワークが復活、C・ロナウドをはじめとしたポルトガルのスピードと見ごたえのある攻防が繰り広げられる。それでもやはりスペインの全員の総合力はポルトガルに勝り、攻めあぐねるものの試合は完全にスペインのペースに。後半ビジャの得点が決まるとポルトガルは点をとりに出ざるを得なくなる。そのスペースにシャビ、イ二エスタ、セルヒオ・ラモスらが次々とパスを通してチャンスを作っていく。結局1-0のままスペインが8強入りを果たすが点差以上にゲームはスペインのものだった。あとはフェルナンド・トーレスの決定力さえ復調すればやはり優勝に限りなく近い位置にいることは間違いないようだ。

2010年7月1日木曜日

冒険の終わりと始まり


2010年の南アフリカでの日本の冒険は終わった。

岡田監督が当初目標に掲げたベスト4には手が届かなかったものの、初の海外開催のワールドカップでの決勝トーナメント進出という金字塔は打ち立てることができた。大会前のAマッチ4連敗という絶望感も終わってみれば歴史的な2勝という結果で、日本国民からも落胆しつつも惜しみない賞賛の拍手が送られた。
パラグアイとのトーナメント1回戦での戦いも、もう少しというところで運がつきたかのように勝利が逃げて行ってしまった。しかしながらよくあるメディアのエモ―ショナルな“感動をありがとう”的な煽りはもうあまり意味がない、サッカーはこれでおしまいになるわけではなく、次のブラジル大会への準備が今からスタートを切ったということを改めて確認しなければならない。

中村俊輔のように“もうオレはいいよ”とこの舞台から去る者もいるわけだが、本田圭佑のように“全然満足していない、自分が日本人かパラグアイ人じゃなければこんな試合見ない”とさらなるレベルアップを目指す世代がこれからの代表を形づくっていくことになる。

本田の言うことは確かで国民的には熱狂し夢中になったパラグアイ戦もおそらくやっているサッカーの質という観点では凡庸な試合と他国メディアに評されても仕方がない内容だった。ならば、ブラジル大会に向けて今回何が欠けていたのか、戦術的にも、選手の育成にも、協会のバックアップ体制にも、メディアの報道内容ももう一度分析し、再構築していくことが必要だろう。
予期せぬ好結果を導き出した岡田監督の手腕に対して手のひらを返したような絶賛や批判論を繰り返してきたことへの謝罪も、もうあまり意味がない。次の監督をどうして、おそらくは代表からいなくなっていく世代の選手の後にどんな人材を起用し、経験を積ませていくのか早急にアクションを開始することこそ、今回の結果を次につなげる重要な鍵になるはずだ。

本大会ベスト16を越えることを考える前に、アジアを勝ち抜く困難な戦いがある。しかも2年後にははやくもその長きにわたるチャレンジが始まることを考えると時間がそれほど多くあるわけではないのだ。

感傷に浸るのは1日だけでいい。
Jリーグで、各国のクラブで、協会、スタッフ、選手たち。そして何より彼らを支えるわれわれの戦いもまた始まる。

2010年6月27日日曜日

熱戦第3幕


グループリーグの対戦が2巡し、そろそろ16強にむけた星勘定が白熱しだした。優勝候補と目された欧州の名門が思わぬ苦戦を強いられ、南米勢の躍進、アフリカ勢の不調、アジアや新興国の健闘と下馬評を覆す波乱の展開が続く。そして、この3RDレグでいよいよ決勝トーナメントに駒を進めるチームが確定するが各組とも力の差が無いだけに最後まで予断を許さない。
以下観戦雑記。

6月22日
●フランス1-2南アフリカ
前回準優勝国も狂いだした歯車は修正のしようが無い。ウルグアイ、メキシコの他力頼みかつ大量点が必要な地元南アフリカは、彼らをサポートする圧倒的なブブゼラの音に後押しされ、序盤からかつての世界王者フランス陣内に攻め込みフランスは防戦に追われる。監督に暴言を吐いて追われたアネルカと彼に同調するキャプテンのエブラ他5人が入れ替わったチームは、もはや栄光のチームの面影はなかった。南アは前半CKからクマロのヘッドで先制、焦るフランスはゲームメーカーのグルキュフが一発退場くらいさらに苦境に立たされる。
たたみかける南アはマシレラが折り返しムペラがゴールに押し込み2点目。予選突破の最低条件が見えてきたこともあって南アはさらにかさにかかって攻める。後半、交代出場のマルダが前ががりになった相手の間隙をつきカウンターで1点を返し意地を見せるが、抵抗もそこまで。フランスはA組最下位という無残な結果の前にただ呆然としていた。南アも結局は2位には届かずに開催国としては初めて1次リーグ敗退が決定、不名誉な歴史を作ってしまったが、それでも強豪相手に胸を張れる戦いぶりではあった。この日の勝利に南アフリカ国民は幸福な一夜を送ったはずである。

●メキシコ0-1ウルグアイ
引き分けでも両チームとも2位以内が確定する試合だったが、お互いそんな思惑を吹っ切った手を抜かない激しい戦いを繰り広げた。攻守にバランスがとれ無失点でそつなく勝ち点を積んできたウルグアイに、すばやいパスワークで対抗するメキシコ。メキシコは何度となく好機を作るが決めきれずに一進一退の攻防が続く。前半終了間際、今大会絶好調のフォルランが右サイドから起点になってカバニにつなぎ、そのクロスをこれまた絶好調のスアレスがヘッドで先制弾を叩き込んだ。後半もメキシコは良く攻めたが、結局この1点をウルグアイが守り抜き1位突破を決めた。メキシコは得失点差で2位通過。

●ナイジェリア2-2韓国
引き分け以上で16強進出に燃える韓国、勝てば2位通過を決めることが出来るナイジェリアが生き残りをかけて激突した。序盤から韓国は果敢に攻めるが先手を取ったのはナイジェリア。右サイドのクロスをウチェが先制ゴール。やってはいけない先取点を与えた韓国はしかしひるむことなくキ・ソンヨンのFKを初戦に続き鹿島のイ・ジョンスが押し込み同点に。後半、パク・チュヨンが中央左から得たFKを直接ゴールの右隅に叩き込み逆転。これで窮地に立たされたナイジェリアは必死の反撃を試みる。守備固めに入ったキム・ナミルが相手のプレッシャーからか思わず痛恨のPKをとられてしまいアイエグベニにきっちり決められて追いつかれると、ナイジェリアは怒涛の攻めで勝利への執念を燃やし、韓国は必死に耐える。そして何とか持ちこたえた韓国は見事、開催地以外での16強に駒を進める結果に。

●ギリシア0-2アルゼンチン
主将のマスケラーノ、エースFWのイグアインを温存し余裕のアルゼンチン。堅い守りからチャンスをうかがうギリシア。アルゼンチンはメッシを中心に攻め続けるがギリシアの定評ある堅守になかなか得点できない。均衡を破ったのは後半32分、Ckからデミチェリスが頭で落とし、混戦から蹴り込む。ギリシアもなんとかロングボールで対抗しようとするが、メッシをはじめアルゼンチンの怒涛の攻撃に防戦一方。終了間際にメッシが強烈なシュート、GKがはじいたところをパレルモが決め止めを刺す。アルゼンチン磐石で一位通過。

6月23日
●スロベニア0-1イングランド
2節終わって勝ちが無いイングランドは予選敗退の危機。さすがに気合が入ったのか監督批判で謝罪したテリーもこの日は身体を張って魂の戦いを展開。前半右サイドのミルナーから中央で合わせたデフォーがGKハンダノビッチの頭上を破り先制弾を叩き込む、初先発の抜擢に見事応えた値千金のゴールだった。その後もルーニーのシュートがバーを叩くなと攻めながらも得点が出来ないイングランドは、スロベニアに決定機を作られながらも、守り抜き2位通過で何とか面目を保った。

●アメリカ1-0アルジェリア
勝ち点が均衡し星のつぶし合いが続くこの組で激戦を展開してきたアメリカも勝たなければ予選落ちしてしまう。アルジェリアはアフリカ予選でも粘り強い戦いをしてきただけあって接戦にも耐えうるメンタルとテクニックでここまで検討してきた。序盤からアメリカは攻め立てるがアルジェリアは堅守でカウンターで逆襲する。息詰まる戦いはスコアレスのまま時間が経過する。時計は90分を回りアメリカは予選敗退の無情なホイッスルが鳴らされる、まさに最後のワンプレーで奇跡を起こす。GKからのフィードを受けたドノバンが一直線に高速ドリブルでゴールを目指し、右サイドのアルティドールへ流し、中央のデンプシーに流れるような低いクロスを一瞬の間に展開し、デンプシーは乾坤一擲のシュートを放つがGKボルヒがはじく。そこに起点のパスを送ったドノバンが稲妻のように走り込みゴールに突き刺した。地獄から天国へ。この劇的なサヨナラ弾によってアメリカは1位通過をつかみとった。サッカーはこれだから面白い。

●オーストラリア2-1セルビア
ドイツに衝撃の0-4負けを食らったオーストラリアはその後よく立て直し得失点差で予選抜けも見えてきた。セルビアも全く同様でこの試合にすべてがかかる。お互いガチンコの対決は白熱し互角の戦いが展開する。後半オーストラリアはロングボールをトップのケネディに放り込み高さで崩そうとするが、この空中戦が功を奏しケーヒル、ホルマンが立て続けにゴール。しかしながらセルビアが投入したパンテリッチが追撃のゴールを決める。両者最後まで死力を尽くすがこのまま1点差でオーストラリアが勝利したものの、得失点差で及ばず、両イレブンともにピッチで茫然と膝を折っていた。これもワールドカップである。

●ガーナ0-1ドイツ
セルビア戦に敗れ背水の陣を引くドイツは、アフリカ勢で唯一好調を保ちアフリカ期待の星となっているガーナ戦はグループリーグの大一番に。前半ガーナは持ち前の身体能力と個人技で攻勢に出るが、フィニッシュに今一つ正確性を欠く。後半、ドイツ若手の期待の星エジルが右サイドのミュラーからのパスをゴール左に素晴らしいミドルを決める。21歳のトルコ系の若き才能の一発でドイツは1位通過を確保、粘ったガーナは1点差を守り2位で16強入りを決めた。

6月24日
●日本3-1デンマーク
日本は堅い守備と果敢な攻撃と早い切り替えで高さのデンマークに対抗。序盤はトマソンを捕まえ切れずに危ない局面が続いたがDF陣はすぐに修正、逆にカウンターから松井、長谷部と決定機も作れるように。前半17分に本田、30分に遠藤と2本の芸術的なFKでゴールし圧倒的に優位に立った。デンマークは引き分けでは上がれないので3点のアドバンテージを持つことに成功したのである。デンマークは高さでパワープレーを仕掛けてくる。たまらずPKを与え1点を失ったが、間隙を突いた本田が岡崎に流し試合を決める3点目をゲット、日本はサッカー史に残る開催地以外での初の16強入りという金字塔を打ち立てた。



●カメルーン1-2オランダ
優勝候補の呼び声高いオランダは前半からモチベーションの上がらないカメルーンを攻め、ファンぺルシ―が先制。後半カメルーンがPKを得てエースのエトーが冷静に決めていったんは追いつくが、負傷で戦列から離れていたロッベンが復帰しいきなり強烈なシュートでポストを直撃、詰めていたフンテラールの決勝ゴールをおぜん立てした。点差こそ最少だったが危なげなく首位通過、ロッベンの復帰でトーナメントに最強の切り札が加わった。

●スロバキア3-2イタリア
2試合で勝ち星なしの勝ち点2と崖っぷちのイタリアが悲壮な覚悟で登場したが、前半早くも不用意なパスをカットされスロバキアのビテクに先制弾を許してしまう。後半、負傷で今大会出場ができなかった司令塔のピルロを投入し勝負をかけるが、再びビテクにクロスを合わされ失点してしまう。負けられない意地で圧倒的に攻めるがゴールは遠い。ディナタ―レのゴールでやっと1点をもぎ取るが、焦るイタリアを見透かしたようにスロバキアにカウンターを仕掛けられ逆に失点し突き放されてしまう。あきらめないイタリアは終了間際にクアリャレラが1点を返すがここで力尽きる。前大会のチャンピオンチームは伝統の守備陣の崩壊でグループリーグで敗退するという屈辱に沈み、スロバキアは分離独立後、歴史に残る16強入りを果たした。

●パラグアイ0-0ニュージーランド
ここまで堅い守備で検討してきたニュージーランドがアウェイのユニフォーム“オールブラックス“で登場。しかし南米の強豪パラグアイの実力の前に圧倒され終始守勢を強いられる展開。サンタクルス、べラ、カルドソと強力なFW陣に対しニュージーランドは5バックで対抗し何とか守り抜いた。パラグアイは引き分けでもそつなく首位通過。ニュージーランドは予選落ちではあったが3分け無敗の大健闘で大会を締めくくった。

6月25日
●ポルトガル0-0ブラジル
大会きってのスーパースター、C・ロナウド擁するポルトガルが王国ブラジルに挑戦。前節の退場でカカ―を欠いたブラジルだったがルイス・ファビアーノが再三ポルトガルゴールを脅かすものの得点ならず。逆に後半はロナウドのスピードで決定機を作られてしまうが、歴代代表でも守備に秀でるブラジルは何とか相手エースを抑え込んでスコアレスで痛み分け。死の組といわれた組み合わせだったが両国で1,2位通過を順当に分け合った。

●北朝鮮0-3コートジボワール
ブラジルには健闘したもののポルトガルに大敗を喫した北朝鮮は、そのショックを引きづってしまったかコートジボワールに序盤から圧倒される。14分にヤヤ・トゥ―レ、20分にはドログバの強烈なシュートからこぼれたボールをロマリックが頭で押し込み一気に失点を重ねてしまう。その後、鄭大世を前線に残し全員で守備に回った北朝鮮にてこずりなかなか追加点が入らなかったが後半37分にカルーが3点目を奪い万事休す。鄭大世もドリブルで持ち込み好機を作ったが不発。彼らの44年ぶりの冒険は終わった。

●チリ1-2スペイン
スイスに敗れ窮地に立ったスペインがグループ最大の敵・好調のチリに挑む。F・トーレス、ビジャの2トップ始めイニエスタ、シャビ、シャビ・アロンソとタレント集団が華麗なパス回しをかなぐり捨て泥臭く勝利を狙う。前半ビジャが先制し優位に立つとやっと余裕も出たのか、華麗なパスワークが通りだしイニエスタが見事な追加点を挙げる。チリも豊富な運動量でよく対抗、後半早々に1点を返すが、退場者で一人減ったチリはスペインを崩しきれず、このまま試合終了。優勝候補の呼び声高かったスペインはなんとか16強入りを果たし面目を保った。

●スイス0-0ホンジュラス
スペインを破る快挙を遂げたスイスもチリに手痛い1敗をくらい、この試合の勝利にトーナメント進出をかけるが、試合を支配しながらも決定機で精度を欠き得点できない。逆にホンジュラスのカウンターを仕掛けられピンチに立つ局面も出てくる。焦るスイスもついに得点を奪えないままスコアレスドローに終わり、全員ががっくりとピッチに崩れ落ちた。この痛み分けで両チームともグループリーグ敗退が決定。


結局この3rdレグでグループリーグが終了した結果、決勝トーナメントの組み合わせは以下の通りに、
A組1位ウルグアイ対B組2位韓国、C組1位アメリカ対D組2位ガーナ、E組1位オランダ対F組2位スロバキア、G組1位ブラジル対H組2位チリ、D組1位ドイツ対C組2位イングランド、B組1位アルゼンチン対A組2位メキシコ、F組1位パラグアイ対E組2位日本、H組1位スペイン対G組2位ポルトガル

いよいよ大会も最高潮を迎える。

2010年6月25日金曜日

輝かしい朝


嬉しい朝を迎えた。
サッカーを長く見続けてきて良かったと思った。
そしてその輝かしい一瞬の時を、南アフリカの地で共有できていないことを猛烈に悔やんでいる。
2010年6月24日(ルステンブルグ/ロイヤル・バフォケンスタジアム)グループEサードレグ、日本3-1デンマーク。

正直言って、岡田武史率いる日本代表が今大会ベスト16に進出できるとは露ほどに思っていなかった。
単にチームが大会直前まで調子が上がらないということは関係なしに、カメルーンにしろ、オランダにしろ、デンマークにしろ今までのサッカーのレベルから見てその差は歴然としていた。対戦国の監督とかは日本も警戒しなければならないと言いながら勝ち点3は計算していたはずだし、FIFAの関係者だって世界のメディアにしたって、このE組は死の組に近い(上位3チームのだが)顔合わせだと思っていたに違いない。

“世界を驚かそうぜ”という岡田が唱えた合言葉が、本当に世界に衝撃を与えたのである。


試合を振り返るのは、もうすでに嫌っというほどメディアのニュースで繰り返して報道されているのであえてここには記さないでおくが日本サッカー史に新たな1ページを書き加えた代表選手たち、スタッフ、関係者たちに心から祝福したいと思う。

そしてもう4日後には新たな戦いがすぐ控えている。書き換えた歴史にさらに輝かしいページが加えられていくように願ってやまない。

2010年6月23日水曜日

熱戦第2幕へ


ワールドカップはグループリーグのセカンドレグが終了。
連日の朝まで生テレビで観るほうの体力も消耗戦を強いられてきたが、セカンドレグで欧州の強豪の明暗がはっきりしだした。フランスはじめイングランド、ドイツもピンチに立たされ、アフリカ勢もカメル―ンが早くも脱落、新興国の検討もあって各組混戦の様相でますます目が離せない。
日本の行方も気になるが、各国の戦いぶりでワールドカップの盛り上がりもヒートアップしてきた。
試合見ながらTwitterを打ち込むことも多くなったが、ワールドカップ関連のTLの盛り上がりも凄い。
以下セカンドレグの観戦雑感。


16日
●南アフリカ0-3ウルグアイ
前半、ウルグアイのディエゴ・フォルランの目を瞠るミドルが炸裂し、それまでほぼ互角の展開を見せていた南アフリカに動揺が走る。後半は焦る南アにウルグアイの巧みなゲーム運びでことごとくチャンスの芽を摘まれていくうちにPKを与えてしまい、フォルランに追加点を決められてしまう。地元の声援を受け打開を図ろうとした“バファナバファナ”は結局なすすべなく終了間際に決定的な3点目で、失意の完封負けを喫してしまう。この敗退により開催国の16強入りは極めて厳しい立場に追い込まれてしまった。

17日
●アルゼンチン4-1韓国
韓国の果敢なアタックで立ち上がりは興味深い展開だったが、メッシのスーパーなボールキーピングとテべスのエネルギッシュな切り込みで徐々に流れはアルゼンチンに。FKからの朴主永の不運なオウンゴールも相手のプレッシャーがじわじわ効いてきた結果なのかもしれない。さらにイグアインがヘッドで追加点を捕った時に、これで韓国も終わったかと思いきや、前半終了間際にイ・チョンヨンが相手DFの軽率なプレーから1点を返してゲームは面白くなった。しかしながら後半もメッシを止めようがなく、人数をかけさせられ対応に追われるうちに、イグアインがごっちゃんゴールでハットトリックを難なく達成。メッシ一人で韓国のあわよくばの野望を打ち砕いた。

●ナイジェリア1-2ギリシア
ナイジェリアは立ち上がりにFKがそのままゴールに飛び込み優位な出だしができ、その後もゲームを支配する。ところが接触プレーにいら立っていたカイタが相手DFのトロシディスを蹴り上げ一発レッド。この愚かな行為がナイジェリアに傾いていた流れを変えてしまう。数的優位に立ったギリシアが高さを利用してゴール前にロビングボールを挙げてチャンスを作っていく。前半終了間際サルティンギディスがこぼれ球からギリシアW杯史上初ゴールで同点にした後、後半はギリシャが俄然攻勢に立つ。トロシディスがCKから決勝ゴールを押し込んで、ギリシアが歴史的な1勝を勝ち取った。これによってアルゼンチン以下横一線に並んだ3チームの2位争いが予断を許さなくなってきた。

●フランス0-2メキシコ
第1戦を引き分けたフランスはこの試合を落とすと窮地に立たされるが、メキシコはかなりの難敵。ドメニク監督はリベリーをトップ下に張らせるシステム変更で臨むが、メキシコもドス・サントスやエルナンデスといった元気がいいFWがフランスDFの裏を狙う。後でわかったが試合運びがうまくいかない苛立ちからハーフタイムにアネルカが監督を批判し後代させられるバタバタ劇が発生。攻守のバランスも悪く後半ついにエルナンデスに裏を取られ失点してしまう。こうなるとチームの意思がばらばらになったまずい展開でフランスはなすすべなく相手にPKを献上、ベテランのブランコに難なく決められ万事休す。フランスの病状は重い。

18日
●ドイツ0-1セルビア
初戦に圧勝したドイツと手痛い1杯を喫したセルビア、セルビアの負けられないコンタクトプレーで試合はヒートアップし、前半のうちにドイツの得点源の一人クローゼが2枚のイエローで退場という事態に。ヨバノビッチが動揺するドイツの間隙をぬって先制弾を叩き込むと、一人少ないドイツもポドルスキを中心にパワープレーを仕掛けるがなかなかゴールに結びつかない。後半に入りドイツは相手のハンドでPKを得る絶好のチャンスを迎えるがポドルスキが何と止められてしまう。後半の時間の経過とともに数的優位に立ったセルビアにかわされドイツは痛い敗北を喫してしまった。セルビアはガーナに負けたショックから立ち直り、なんとか16強入りに踏みとどまった。

●スロベニア2-2アメリカ
スロべニアは前半ビルサが中央から見事なゴールで先制、試合を優位に支配する。さらに前半終了間際に高さで追加点をもぎ取ってゲームをほぼ手中にしたかに見えた。しかしアメリカは苦境に立つと異常な根性を発揮する。後半開始早々にドノバンが切れ込んで魂のゴールが炸裂。その後もドノバン、デンプシー、アルティドールが繰り返しゴールに肉薄、ついにこらえきれなくなったスロベニアはブラッドリーに決められ追いつかれてしまう。こうなると勢いはアメリカ、何度となく決定機を作られるがスロベニアは何とか耐え抜き引き分けに持ち込んだ。アメリカのファイティングスピリッツと団結心は観る者の心を熱くさせる。

●イングランド0-0アルジェリア
初戦を分けてしまったイングランドがアルジェリアには確実に勝点3を稼ぎたいところだったが、アルジェリアも巧みなテクニックとスピードで対抗、一筋縄ではいかない健闘ぶり。タレントに勝るイングランドも何度となく攻めるものの元琉球FCのGKボルヒの攻守にゴールを割れない。最後はトップにクラウチを投入しパワープレーを試みるが最後まで得点ならず。2試合連続の引き分けでイングランドは窮地に立たされた。

19日
●オランダ0-1日本
日本最大の敵に対しチームワークと組織的守備で対抗、圧倒的にポゼッションを取られながらシュート数はオランダを上回る善戦ぶりだったが、後半疲労とともにバックラインが下がりスペースを与えスナイデルに強烈なシュートを決められ金星ならず。

●ガーナ1-1オーストラリア
初戦で大敗したオーストラリアは格上のガーナ相手に負けられない戦いを強いられる。ところが立ち上がりホルマンがゴール前に詰めてオーストラリアは先手を打つことに成功、これでゲームの行方が面白くなる。しかしながら前試合のケーヒルに続き、この試合でも主力のキーウェルがハンドで一発退場をくらいPKで失点してしまう。その後ガーナの個人技とパスワークでプレッシャーをかけられたオーストラリアは数的劣勢に耐えなんとかドローに持ち込んだ。ドイツのよもやの敗北でこのグループの行方も混沌としてきた。

●カメルーン1-2デンマーク
日本に手痛い1杯を喫したカメルーンが得点源のエトーを右サイドからセンターに移し、積極的に仕掛ける。開始10分に中央からエトーが見事に決めて、早速エトー効果が表れたが、デンマークもロメンダ-ル、ベントナ―の高さとスピードで対抗。前半のうちにこのコンビで最後はベントナ―がフィニッシュし同点に。後半さらにロンメダ-ルの攻撃にカメルーンDFは対応に追われていたが、ついに鮮やかなファインゴールを決められてしまい、“不屈のライオン”カメルーンは早くも敗退が決定してしまった。しかしながらデンマークは最少得点差の勝利ということで日本との決戦で勝つことを義務付けられてしまう。

20日
●スロバキア0-2パラグアイ
南米2位のパラグアイがその能力を見せつけ、スロバキアのフィジカル頼みのサッカーをテクニックと速さで翻弄。危なげなく得点を重ね、最後まで相手に主導権を渡すことなく勝つ点3をゲット。16強入りに大きく近づく。

●イタリア1-1ニュージーランド
参加国中最弱の評価のニュージーランドだったが、初戦の終了間際にスロバキア相手に見事な同点弾で勝ち点1を拾っただけに、優勝候補相手にも臆せず守りを固めてカウンターでチャンスをうかがう。さすがに圧倒的にボールは支配されるが前半早々、FKからのロビングを名手カンナバーロがマークを外されスメルツによもやの先制弾を押し込まれてしまう。反撃に出たイタリアも前半30分を経過しやっとデ・ロッシが相手エリア内でPKを得る。これをイアクインタが確実に決める。圧倒的に攻めるイタリアの逆転は時間の問題かと思われたがニュージーランドの高さを生かしての必死の防戦とGKパクストンのセーブでゴールが決めきれない。逆に散発的だがカウンターをしかけられ失点のピンチも飛び出す始末。攻めに攻めたイタリアだったが時間の経過とともに焦りが見え始め攻撃も強引になり相手DFに跳ね返されてしまいついにタイムアップ。ニュージーランド今大会最大の番狂わせで、イタリアは2戦終わって勝利なし!予選敗退の大ピンチに立たされてしまう。

●ブラジル3-1コートジボワール
本命ブラジルがアフリカ勢最強と目されるコートジボワールと相まみえたが、序盤互角の試合運びからカカ―、ロビーニョの華麗なパス回しでブラジルは徐々にエンジンをかけ始める。ルイス・ファビアーノが技ありのファインゴールを突きさし先制すると、ブラジルの強さを見せつけるような連続した分厚い攻撃でエラーノ、ファビアーノとゴールを重ねていく。後半エース、ドログバが一矢報いるシュートを炸裂させるがコートジボワールの反撃もここまで。カカ―の退場は余計だったがブラジルがなんなく難敵を料理した。

21日
●ポルトガル7-0北朝鮮
初戦王者ブラジルに大善戦した北朝鮮が、66年大会以来の因縁の相手ポルトガルに挑戦。立ち上がりは北朝鮮も良く攻め上がっていたが、徐々にポルトガルの個人技と速さの対応に追われだす。前半は先制されたものの何とか1点でしのぎ後半の反撃が期待されたが、シモン、アウメイダと立て続けに得点を許すと、DF陣の集中が切れてしまい次々とゴールを決められてしまう。ここまで無得点だったCロナウドも得点し終わってみれば7-0の大差。北朝鮮のリベンジは地力の差で返り討ちにあってしまった。この大敗に北朝鮮のメンツはぼろぼろ、帰国後選手が迫害されるのではないかと心配になってしまう。




●チリ1-0スイス
チリは本当にスピードあふれる果敢な攻撃力を誇る好チームだ。優勝候補のスペインに土をつけて意気上がるスイスが相手だったが、アグレッシブでサボらないサッカーでボディブローを打ち続けるように攻撃を仕掛ける。守りを固めたスイスも前半で退場者を出しさらに劣勢を強いられる。後半粘り強い攻撃が実りチリのマルク・ゴンザレスがクロスに頭で合わせ値千金のゴール。反撃に出たスイスを抑え、勝ち点を積み上げ早くも16強入りを確かなものにした。

●スペイン2-0ホンジュラス
初戦で躓いてしまったスペインもホンジュラスには星を落とせない。序盤から変幻自在のパスワークが復活しホンジュラスを圧倒する。前半ビジャが3人抜きでフィニッシュし見事な先制弾を決め本領発揮。ホンジュラスの抵抗も散発で終わり、多彩なパスワークで試合を支配し続けビジャの2点目で試合を決定づける。スペインはこの復調でなんとなく予選突破の道筋が見えてきた。次は好調チリが相手、好ゲームが期待される。