2010年6月23日水曜日

熱戦第2幕へ


ワールドカップはグループリーグのセカンドレグが終了。
連日の朝まで生テレビで観るほうの体力も消耗戦を強いられてきたが、セカンドレグで欧州の強豪の明暗がはっきりしだした。フランスはじめイングランド、ドイツもピンチに立たされ、アフリカ勢もカメル―ンが早くも脱落、新興国の検討もあって各組混戦の様相でますます目が離せない。
日本の行方も気になるが、各国の戦いぶりでワールドカップの盛り上がりもヒートアップしてきた。
試合見ながらTwitterを打ち込むことも多くなったが、ワールドカップ関連のTLの盛り上がりも凄い。
以下セカンドレグの観戦雑感。


16日
●南アフリカ0-3ウルグアイ
前半、ウルグアイのディエゴ・フォルランの目を瞠るミドルが炸裂し、それまでほぼ互角の展開を見せていた南アフリカに動揺が走る。後半は焦る南アにウルグアイの巧みなゲーム運びでことごとくチャンスの芽を摘まれていくうちにPKを与えてしまい、フォルランに追加点を決められてしまう。地元の声援を受け打開を図ろうとした“バファナバファナ”は結局なすすべなく終了間際に決定的な3点目で、失意の完封負けを喫してしまう。この敗退により開催国の16強入りは極めて厳しい立場に追い込まれてしまった。

17日
●アルゼンチン4-1韓国
韓国の果敢なアタックで立ち上がりは興味深い展開だったが、メッシのスーパーなボールキーピングとテべスのエネルギッシュな切り込みで徐々に流れはアルゼンチンに。FKからの朴主永の不運なオウンゴールも相手のプレッシャーがじわじわ効いてきた結果なのかもしれない。さらにイグアインがヘッドで追加点を捕った時に、これで韓国も終わったかと思いきや、前半終了間際にイ・チョンヨンが相手DFの軽率なプレーから1点を返してゲームは面白くなった。しかしながら後半もメッシを止めようがなく、人数をかけさせられ対応に追われるうちに、イグアインがごっちゃんゴールでハットトリックを難なく達成。メッシ一人で韓国のあわよくばの野望を打ち砕いた。

●ナイジェリア1-2ギリシア
ナイジェリアは立ち上がりにFKがそのままゴールに飛び込み優位な出だしができ、その後もゲームを支配する。ところが接触プレーにいら立っていたカイタが相手DFのトロシディスを蹴り上げ一発レッド。この愚かな行為がナイジェリアに傾いていた流れを変えてしまう。数的優位に立ったギリシアが高さを利用してゴール前にロビングボールを挙げてチャンスを作っていく。前半終了間際サルティンギディスがこぼれ球からギリシアW杯史上初ゴールで同点にした後、後半はギリシャが俄然攻勢に立つ。トロシディスがCKから決勝ゴールを押し込んで、ギリシアが歴史的な1勝を勝ち取った。これによってアルゼンチン以下横一線に並んだ3チームの2位争いが予断を許さなくなってきた。

●フランス0-2メキシコ
第1戦を引き分けたフランスはこの試合を落とすと窮地に立たされるが、メキシコはかなりの難敵。ドメニク監督はリベリーをトップ下に張らせるシステム変更で臨むが、メキシコもドス・サントスやエルナンデスといった元気がいいFWがフランスDFの裏を狙う。後でわかったが試合運びがうまくいかない苛立ちからハーフタイムにアネルカが監督を批判し後代させられるバタバタ劇が発生。攻守のバランスも悪く後半ついにエルナンデスに裏を取られ失点してしまう。こうなるとチームの意思がばらばらになったまずい展開でフランスはなすすべなく相手にPKを献上、ベテランのブランコに難なく決められ万事休す。フランスの病状は重い。

18日
●ドイツ0-1セルビア
初戦に圧勝したドイツと手痛い1杯を喫したセルビア、セルビアの負けられないコンタクトプレーで試合はヒートアップし、前半のうちにドイツの得点源の一人クローゼが2枚のイエローで退場という事態に。ヨバノビッチが動揺するドイツの間隙をぬって先制弾を叩き込むと、一人少ないドイツもポドルスキを中心にパワープレーを仕掛けるがなかなかゴールに結びつかない。後半に入りドイツは相手のハンドでPKを得る絶好のチャンスを迎えるがポドルスキが何と止められてしまう。後半の時間の経過とともに数的優位に立ったセルビアにかわされドイツは痛い敗北を喫してしまった。セルビアはガーナに負けたショックから立ち直り、なんとか16強入りに踏みとどまった。

●スロベニア2-2アメリカ
スロべニアは前半ビルサが中央から見事なゴールで先制、試合を優位に支配する。さらに前半終了間際に高さで追加点をもぎ取ってゲームをほぼ手中にしたかに見えた。しかしアメリカは苦境に立つと異常な根性を発揮する。後半開始早々にドノバンが切れ込んで魂のゴールが炸裂。その後もドノバン、デンプシー、アルティドールが繰り返しゴールに肉薄、ついにこらえきれなくなったスロベニアはブラッドリーに決められ追いつかれてしまう。こうなると勢いはアメリカ、何度となく決定機を作られるがスロベニアは何とか耐え抜き引き分けに持ち込んだ。アメリカのファイティングスピリッツと団結心は観る者の心を熱くさせる。

●イングランド0-0アルジェリア
初戦を分けてしまったイングランドがアルジェリアには確実に勝点3を稼ぎたいところだったが、アルジェリアも巧みなテクニックとスピードで対抗、一筋縄ではいかない健闘ぶり。タレントに勝るイングランドも何度となく攻めるものの元琉球FCのGKボルヒの攻守にゴールを割れない。最後はトップにクラウチを投入しパワープレーを試みるが最後まで得点ならず。2試合連続の引き分けでイングランドは窮地に立たされた。

19日
●オランダ0-1日本
日本最大の敵に対しチームワークと組織的守備で対抗、圧倒的にポゼッションを取られながらシュート数はオランダを上回る善戦ぶりだったが、後半疲労とともにバックラインが下がりスペースを与えスナイデルに強烈なシュートを決められ金星ならず。

●ガーナ1-1オーストラリア
初戦で大敗したオーストラリアは格上のガーナ相手に負けられない戦いを強いられる。ところが立ち上がりホルマンがゴール前に詰めてオーストラリアは先手を打つことに成功、これでゲームの行方が面白くなる。しかしながら前試合のケーヒルに続き、この試合でも主力のキーウェルがハンドで一発退場をくらいPKで失点してしまう。その後ガーナの個人技とパスワークでプレッシャーをかけられたオーストラリアは数的劣勢に耐えなんとかドローに持ち込んだ。ドイツのよもやの敗北でこのグループの行方も混沌としてきた。

●カメルーン1-2デンマーク
日本に手痛い1杯を喫したカメルーンが得点源のエトーを右サイドからセンターに移し、積極的に仕掛ける。開始10分に中央からエトーが見事に決めて、早速エトー効果が表れたが、デンマークもロメンダ-ル、ベントナ―の高さとスピードで対抗。前半のうちにこのコンビで最後はベントナ―がフィニッシュし同点に。後半さらにロンメダ-ルの攻撃にカメルーンDFは対応に追われていたが、ついに鮮やかなファインゴールを決められてしまい、“不屈のライオン”カメルーンは早くも敗退が決定してしまった。しかしながらデンマークは最少得点差の勝利ということで日本との決戦で勝つことを義務付けられてしまう。

20日
●スロバキア0-2パラグアイ
南米2位のパラグアイがその能力を見せつけ、スロバキアのフィジカル頼みのサッカーをテクニックと速さで翻弄。危なげなく得点を重ね、最後まで相手に主導権を渡すことなく勝つ点3をゲット。16強入りに大きく近づく。

●イタリア1-1ニュージーランド
参加国中最弱の評価のニュージーランドだったが、初戦の終了間際にスロバキア相手に見事な同点弾で勝ち点1を拾っただけに、優勝候補相手にも臆せず守りを固めてカウンターでチャンスをうかがう。さすがに圧倒的にボールは支配されるが前半早々、FKからのロビングを名手カンナバーロがマークを外されスメルツによもやの先制弾を押し込まれてしまう。反撃に出たイタリアも前半30分を経過しやっとデ・ロッシが相手エリア内でPKを得る。これをイアクインタが確実に決める。圧倒的に攻めるイタリアの逆転は時間の問題かと思われたがニュージーランドの高さを生かしての必死の防戦とGKパクストンのセーブでゴールが決めきれない。逆に散発的だがカウンターをしかけられ失点のピンチも飛び出す始末。攻めに攻めたイタリアだったが時間の経過とともに焦りが見え始め攻撃も強引になり相手DFに跳ね返されてしまいついにタイムアップ。ニュージーランド今大会最大の番狂わせで、イタリアは2戦終わって勝利なし!予選敗退の大ピンチに立たされてしまう。

●ブラジル3-1コートジボワール
本命ブラジルがアフリカ勢最強と目されるコートジボワールと相まみえたが、序盤互角の試合運びからカカ―、ロビーニョの華麗なパス回しでブラジルは徐々にエンジンをかけ始める。ルイス・ファビアーノが技ありのファインゴールを突きさし先制すると、ブラジルの強さを見せつけるような連続した分厚い攻撃でエラーノ、ファビアーノとゴールを重ねていく。後半エース、ドログバが一矢報いるシュートを炸裂させるがコートジボワールの反撃もここまで。カカ―の退場は余計だったがブラジルがなんなく難敵を料理した。

21日
●ポルトガル7-0北朝鮮
初戦王者ブラジルに大善戦した北朝鮮が、66年大会以来の因縁の相手ポルトガルに挑戦。立ち上がりは北朝鮮も良く攻め上がっていたが、徐々にポルトガルの個人技と速さの対応に追われだす。前半は先制されたものの何とか1点でしのぎ後半の反撃が期待されたが、シモン、アウメイダと立て続けに得点を許すと、DF陣の集中が切れてしまい次々とゴールを決められてしまう。ここまで無得点だったCロナウドも得点し終わってみれば7-0の大差。北朝鮮のリベンジは地力の差で返り討ちにあってしまった。この大敗に北朝鮮のメンツはぼろぼろ、帰国後選手が迫害されるのではないかと心配になってしまう。




●チリ1-0スイス
チリは本当にスピードあふれる果敢な攻撃力を誇る好チームだ。優勝候補のスペインに土をつけて意気上がるスイスが相手だったが、アグレッシブでサボらないサッカーでボディブローを打ち続けるように攻撃を仕掛ける。守りを固めたスイスも前半で退場者を出しさらに劣勢を強いられる。後半粘り強い攻撃が実りチリのマルク・ゴンザレスがクロスに頭で合わせ値千金のゴール。反撃に出たスイスを抑え、勝ち点を積み上げ早くも16強入りを確かなものにした。

●スペイン2-0ホンジュラス
初戦で躓いてしまったスペインもホンジュラスには星を落とせない。序盤から変幻自在のパスワークが復活しホンジュラスを圧倒する。前半ビジャが3人抜きでフィニッシュし見事な先制弾を決め本領発揮。ホンジュラスの抵抗も散発で終わり、多彩なパスワークで試合を支配し続けビジャの2点目で試合を決定づける。スペインはこの復調でなんとなく予選突破の道筋が見えてきた。次は好調チリが相手、好ゲームが期待される。

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