2011年1月22日土曜日

次からが世界標準


アジアカップ準々決勝、対カタール戦。わが若き代表はザッケロ―ニ監督が言うところの成長過程を見事に体現してくれた。2度までもリードを許しなおかつ退場者を出しながらも決して気持ちを切らすことなくホストカントリーで地の利のある相手を苦しみながら3-2で下した。

ただし、あえて苦言を呈するが、意味のないFIFAランキングや過去の対戦成績とかの素人くさい煽りはまったく参考にはしないものの、またいくらホストカントリーで3大会先のワールドカップ開催国とはいえ、現在のカタールに対しては“若さ”を割り引いたとしてももっと簡単に勝ってほしかった。
FWのセバスチャンがウルグアイ人、FKを決められたモンテシンはブラジル人、他にもナイジェリア、スーダンと言ったアフリカから帰化させた多国籍軍団だとはいえ、自国の代表になれない選手のレベルをいくらそろえようが(それは純血代表より強いに決まっているけど)欧州や南米の強国に比べようもない、むしろオーストラリアや韓国、イランのアジアの実力国以下と見るべきだろう。試合後のザッケロ―ニのコメントにもあったが、序盤から飛ばしたものの完全に試合の主導権を掌握できるかと言うとまさに「それ以上の事はできない」チームであった。

そういう意味では、レベルの低いレフリングがあったにせよ、そのセバスチャンあたりにあっさりかわされ、ファウルで止めざるを得ない吉田とかはまだまだこれから経験を積む必要があるだろうし、楢崎に代わって守護神となった川島の判断もまだまだ前任者に遠く及ばない。伊野波の不用意な受渡しミスやラインコントロールのミスなども含め日本の失点はすべてやらずもがなのものだと思う。昨年のW杯の代表との新旧交代において、やはりディフェンス力の強化は課題が残った試合でもあった。

もちろん不利な状況から勝ったことに対する精神力はじめ収穫(成長の跡)は大きいのも確か。香川の加入と長谷部のチームコントロール、本田のゲームメークは、わずか半年前の代表チームとその姿を大きく変貌させたと言ってよいだろう。岡崎、長友、今野の安定感も確かなものである。選手の交代に関してもザッケロ―ニの采配はさすが修羅場をくぐってきた、とその経験値の高さを伺わせるに十分といえる。彼自身も言っているが本当に今後の可能性が楽しみなチームが生まれつつある。

次は今日22日に決まるイランもしくは韓国。このステージに来て初めて真剣勝負で相まみえる世界標準の相手である。
果敢なチャレンジを期待したい。

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