2013年5月17日金曜日

弦楽四重奏で奏でる人生の機微


本日の業務試写は『25年目の弦楽四重奏』(ヤーロン・ジルバーマン監督)。 
結成25周年を迎えた世界的に有名な弦楽四重奏団<フーガ>のチェリストが、不治の病を宣告され引退を決意することから、それまで完璧なハーモニーが保たれていたメンバーの間に亀裂が入りだす・・・。芸術と個人生活、愛情と裏切り、人生の輝きと翳り。ベートーヴェン弦楽四重奏曲第14番にのせて奏でるちょっとほろ苦い人間ドラマである。主役の4人はクリストファー・ウォーケンをはじめフィリップ・シーモア・ホフマン、キャサリン・キーナー、マーク・イヴァニールと実力派ぞろい。それぞれが直面する人生の不協和音と再生への試みを緊張感あふれる演技で見事なアンサンブルを奏でてくれる。
最近見たトランティニャンやテレンス・スタンプ同様にウォーケンの<老い>の演技がなかなか良かった。クラシック音楽ファンもクラシックに疎い人も、おそらく見終わった後に生きる喜びと哀しみに思いを巡らし、しみじみしてしまうはず。

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6日より角川シネマ有楽町他ロードショー。

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