東京国際映画祭、朝一番で台湾映画『愛的麺包魂』(邦題「パンのココロ」)を観に行く。高雄・旗山の田舎のパン屋を舞台に、店の娘を巡って幼馴染のパン職人と、アメリカで自分の番組を持つほど有名な台湾系米国人のパンマエストロが恋のさや当てをするお話し。
ということで、まあよくあるドタバタのラブコメ劇といったらそれまでだが、おフランスに憧れるヒロインと、都会的でバタ臭いABC(American Born Chinese)のからみがモチーフだったりするのに、舞台がこてこての台湾南部の田舎という文化ギャップがおかしい。セリフも仏語、英語に北京語、台湾語、日本語(少々)が飛び交う多言語カルチャーが実に台湾っぽいし、また皆んな地元の素人という田舎のオジサン、オバサンたち=ティピカル台湾人の表情を見るだに楽しくなってくる。昨年の映画祭「那些年,我們一起追的女孩」ですっかりファンになってしまったヒロインの陳妍希(ミシェル・チェン)も田舎のよく居る隣の女の子的な立ち位置を上手く表現していたように思う(えくぼカワユス♡)。
しかし10年ほど前に台湾に駐在していたときは、食生活で唯一不満だったのがパンがまずかったこと。この作品ではよくもまあパンが美味そうに撮れるものだと思っていたのだが、聞くところでは最近の世界コンクールでは台湾の職人が相次いで賞を総なめにしていて、台北あたりでは人気店に行列ができているそうだ。高炳權監督も質疑応答で“台湾のパン文化を知って欲しい”というくらいで、ここ10年の変貌ぶりにビックリさせられてしまった。
朝からこんな映画を見せられたので、帰りがけさっそく昼飯用に「pompadour」に飛び込んでパンを買い込んでしまった。監督推薦の菠蘿麺包(パイナップルパン)はもちろん無かったけどw
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