2012年6月24日日曜日

ビルマに思いを寄せる


リュック・ベッソン監督が撮ったアウンサンスーチー女史の伝記映画「The Lady ひき裂かれた愛」の試写を見てきた。試写室が元在籍していた会社だったのでちょっと気が引けたが、在籍していたときには無かった試写室は思いのほかきれいで快適だったのでびっくり。
肝心の映画だが、主演のマレーシア人女優ミシェル・ヨーが実にスーチー女史の特徴をつかんでいて素直に感情移入が出来た。プレス資料を読むとエキストラで参加したビルマ人が88年当時のシュエダゴンパゴダ前の演説風景に感極まってしまったというほど本人の所作が似ているそうだ。緊迫感あふれる軍制の暴虐シーンにはらはらしながら、夫のマイケル・アリス教授と子供たちとの家族愛に心打たれる。今なお圧制と暴力にさらされ自由を求める困難な闘いに直面するビルマの民主勢力およびいまや15年にわたる軟禁生活を解かれ国際的に活動を再開したスーチー女史に対して心から敬意を表したいと思う。
劇中、国連本部内でツツ大主教が日本代表団を見て「アジアを巻き込む時期」と判断するというくだりがある。その後場面が変わって日本の外交団による軍事政権への提言がなされる場面があるが、実際のところは分からないが、日本人はビルマ情勢に対しもっと関心を持つべきだし、ビルマに対しての軍制の歴史は先の大戦下での日本の関与に端を発する歴史を持っていることも忘れてはならない。実際アウンサン将軍もスーチー女史も一時期日本に住んでいたこともある縁もあるし、現在の亡命ビルマ人も少なからず日本で生活していることもあるのだ。
というわけで少なくとも今後個人的にはミャンマーではなくビルマ、ヤンゴンではなくラングーンと呼ぶことからはじめようと心に誓うのであった。

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