2011年7月18日月曜日

週間呑みアルキスト6.27~7.17


●6月27日
ドイツで開催される女子ワールドカップでわれらがなでしこジャパンが初登場。ということで『明治屋2nd』で時間をつぶしつつキックオフに合わせて帰宅。地元のスーパーでニュージーランド戦にちなんでかの地のワインを探したが見当たらなかったのでオーストラリア産のワインで代用して家呑み観戦。ちょっと危ない初戦だったが永里と宮間の芸術的なFKで2-1で初戦をものにする。

●6月29日
M社の単行本の仕事をお願いしていた編集のHZ嬢来社で神保町のシンガポールレストラン『マカン』で食事。定番の海南鶏飯をオーダーするが、シンガ駐在時代のマンダリンホテル『チャターボックス』の高級海南鶏飯が懐かしい。シンガポールも何年もご無沙汰なので行ってみたいのだがなかなか機会が無い。秋のF1当たりがチャンスか?

●7月1日
出身高校のマスコミ界で働くOBたちの親睦会の年に一度の定例会が日比谷『松本楼』にて開催。今年は自分より若い参加者が増えてなかなかの盛会。いままで会では一番下っ端だったので永く幹事をやらされているがそろそろバトンタッチさせてもらってもと思う。散会後銀座の居酒屋『四万十』で二次会。帰って翌日の旅行準備に追われながら、なでしこ対メキシコ戦。沢、貫録のハットトリック。

●7月2日
この日から台湾へ。初めて羽田ー松山便を利用するが凄く便利になった。CIの午後便だったが余裕で夕食タイムに到着。旧知の在台日本人デザイナーKS氏を呼び出し永康街のPUB『CUBE』で食事方々最近の動静を聴く。KS氏ももう滞在10年だがフリーランスだとやはり生活は大変で、士林の日本料理屋でバイトしているとか。次回はその店を訪問することを約す。

●7月3日
遅い朝食と昼食を兼ねて『鼎泰豊』と並ぶ名店『高記』で上海鐡鍋生煎包と原盅土鶏湯、炒空心采。鐡鍋に10個つまった煎包ですっかり満腹。夜は今回の訪台の目的だった台北市田徑場にてのワールドカップ予選「台湾×マレーシア」戦を観に行く。サッカーはこの国ではマイナースポーツではあるが昨今隣国の日本代表人気などのニュースも相まってか台湾史上最高ともいえる2万近くの観衆を集めた。いつにない大観衆で台湾中華代表隊も健闘し、この日のゲームを3-2でものにしたがアウェイゴール差で惜敗。試合終了後、会場向かいの白人御用達のスポーツバー『ダンライアン』で食事。試合から流れてきた多くの在台白人と盛り上がったが、主役の台湾人客がいないのも変といえば変。観戦後こういう場所で呑む楽しさはまだまだ理解されないかも。珍しくマンUファンというバーテンダーの女性と仲良くなる余禄もあり楽しい一夜と相成る。

●7月4日
台湾でのオフ日。茶芸館でまったりしたあと誠品書店や微風広場などをぶらつく。元部下が経営しているというカフェを訪ねたり炎天下歩いてぐったり。夕食は『度小月』にて肉魯飯、坦仔麺、小采2品。夜は林森北路のBarで軽呑みしたあとマッサージ屋に向かう。途中、晶華酒店(リージェントホテル)で来台中のレディーガガを目撃!かっこいい。

●7月5日
神保町『揚子江飯店』で元祖冷やし中華で一杯引っかけた後、なでしこ戦を家観戦。しかし高さのイングランドに手痛い1敗。これでグループ2位抜けで次戦は優勝候補筆頭の地元ドイツとの対戦に回ってしまった。

●7月6日
ひさしぶりにKJ氏来社。神保町の蕎麦屋『静邨』で一杯。この日は仕事の宿題があるためKJ氏の誘いを断ち切り一軒で会社に戻る。ずるずる深夜までというKJ氏の術中から何とか逃れる。

●7月7日
向かいのデザイン事務所のTAKEさんのところへUJ誌のNN編集長が来ていて食事に誘われる。ちょっと遅い食事だったので白山通りの深夜まで営業しているレストラン『ヴェジタリアン』へ。ヴェジタリアンといっても酒もあれば肉もある。TAKEさんご推奨の宮城の清酒「日高見」は残念ながら売り切れ。ちょいと場所は離れるが秋田の酒で東北支援。

●7月9日
なでしこ西ドイツ戦観戦のため、珍しく土曜日営業をしていた『明治屋2nd』で軽呑みした後、速攻で帰宅。モーゼルの白ワインを準備し朝までテレビ観戦。延長の激戦の末、丸山の値千金の一発で強敵ドイツを下す。これでベスト4進出だ。

●7月11日
女性漫画家のKHさんが来社。水道橋近くまで歩いて、隠れ家風の食堂『アンチヘブリンガン』で会食。ヘブリンガンは小津映画に出てきたクスリの名前からとったとか。ワインの酔いでついつい“語って”しまい終電ぎりぎりになってしまう。

●7月12日
編集のSM嬢が新しいライター紹介ということで元K社の後輩にあたるTM嬢を連れて来社。打ち合わせの後、先日行って気に入った『鉄火炉火』で食事。今月はばかばか食費がかかっている。意気投合したTM嬢と帰り道が同じ方面なので荻窪経由で一緒に帰宅、ついでにK社の先輩がやっている店『寄港地』に寄り道停泊。

●7月13日
なでしこ準決勝でこれまた強豪スウェーデンの高い壁に挑戦。先制されたものの3-1の逆転勝ち。強い。あとひとつ。日米決戦はひょっとしてひょっとするかも。

●7月14日
K社の後輩社員だったTG氏に、仕事の下調べで彼の専門だったテレビ行政の話を聴きに行く。現在は内勤で監査の仕事をしているらしいが、こういう専門知識が活かされないのは社にとっても損失だと思うのだが。組織というものはこういう人事を平気でやってしまうものだ。陽が落ちてもなかなか気温は下がらない。飯田橋の『尾張屋』できしめんをすすりながら思わずビールを一杯。

●7月17日
なでしこ決勝。夕食時にワインを一本空けて早々に寝込んで早朝のキックオフに目覚ましをかける。パワフルなアメリカに圧倒的に押されながらも何とか耐えに耐え、2たび先行され追いつく展開。PK戦で見事世界一の座をつかむ。日本サッカーの歴史を作った素晴らしい朝。気分良し!

2011年7月14日木曜日

旅ごころをかきたてるガイド本2冊


7月発売で2冊の書籍の編集に関わりました。
一冊目は7月2日発売になった『とうとうバイクで北米大陸横断しちゃいました クニイ的地球の走り方』(産経新聞出版 1575円)。女性ライダーでエッセイストの国井律子さんが2009年にHONDA RX230でシアトル→ニューヨーク7300キロを1カ月かけて走破した旅の記録。バイクの送り方からルート選択、経費、食事情報とこれを読めば自分が一緒に旅している気分になれるとともに、実際自分で走って見ようと思い立つ人には参考になるガイドブック的な役割も。実際の編集作業はI社のNG氏におまかせでしたが、小柄で美人な国井さんとの何回かの打ち合わせはなかなか楽しく、本の出来も楽しくかつ詳細で旅本としてもよくできているのではないかと思っております。




もう一冊は7月10日発売『時代を旅する 江戸城歴史探訪ルートガイド』(メイツ出版 1680円)。江戸城の内濠外濠の歴史遺構を巡る“ぶらタモリ”的ガイドブック。一度は企画をお願いした監修者が降板したり震災もあってあきらめかけたもののGWの前後に集中して作業、苦労しながら何とか形にした労作です。予算の関係上一部自分でも写真取材をしたりしましたが実際紹介箇所を回って意外と知っていそうで知らなかった皇居の歴史のいわれに驚いたり、うんちくを楽しんだりもしました。出来上がって見ると気軽に都心散歩をする際のおともにうってつけのものになったように思います。

是非本屋さんでお手に取って見てください。

2011年7月6日水曜日

加油!中華代表隊


週末、久しぶり(1年半ぶり)に台湾に行ってきた。
今回は、酔狂にも中華足球隊(チャイニーズタイペイ代表)のブラジルワールドカップ予選の応援である。第2の故郷と勝手に思っている国の代表チームの試合である、これはいからいでかと思い立ってにわか球迷隊員(サポーター)とあいなった次第。

FIFAランキング165位の台湾にとっては、もうすでにワールドカップを目指す1次予選の挑戦がはじまっているのである。対戦相手は昨年のスズキカップ(東南アジア選手権)の覇者マレーシア、アジアの古豪である。ひいき目に見ても旗色が悪いのは明らかだ。なにせサッカーが好きだと言うと「サッカーは9人でやるんでしたっけ?」とマジに聞かれるような国である。自国のプロリーグでそれなりに熱狂するマレーシアはどうみたって明らかに格上である(といっても146位だが)。

6月29日にマレーシアのアウェイでファーストレグのオープニングマッチが行われ、わが中華代表隊は下馬評通り1-2で試合を落とした。それでもアウェイで1点取っての惜敗は大健闘だろう。貴重なのは敵地でもぎとったアウェイゴール1点(倍加算)である。先日の五輪予選での日本代表もあやうくこのアウェイゴール制でやられるところだった。
結果7月3日に行われるセカンドレグのホームでは1-0以上で勝てばマレーシアより総得点で上に行きめでたく1次予選は突破できる。ただし1点でも取られるととたんにハードルがぐんと上がるので何としてでも点は与えてはならないのは言うまでもない。

中華代表隊には満を持してこの日のために隠していた秘密兵器があった。ベルギーの1部リーグメヘレンでプレーする仏台混血のシャビエ・チェン(陳昌源)に急きょ国籍を与えて代表入りさせたのである。また香港リーグでプレーをする陳柏良、張涵とスペインリーグ2部サラマンカのユースに所属する周子軒という3人の「海外組」も呼び寄せ史上最強チームの構成をもくろんだ。果たしてその成果は上がるのか、サッカー不毛の国のけなげな挑戦に、もの好きな日本人サポのヴォルテージも上がる一方なのであった。

当日、キックオフ1時間前に主戦場である台北市田徑場には多くの台湾人青年が続々と集まっていた。皆この日のために代表スポンサーが配ったブルーの中華足球代表ユニを身にまとい、なかには青天白日旗を身体に巻き付けたウルトラスも散見する。女の子はなぜかメッシのレプリカやルーニ―のレプリカを着ている子もいる。なんだ、なんだ、けっこう隠れファンもいるんじゃねーか。バスケ脳しかないと思ってた連中だったが格好だけは一人前のフットボールの流儀に沿っているぜ。在台留学生を中心におなじみのタイガーカラ―のマレーシアサポもちらほら見受けられ、ここが台湾であることが信じられないような変わり映えである。それだけ、今回の代表歴代最強チームに多大な関心が集まっているのかもしれない。

台北市田徑場は2万5千キャパだが、入場無料とはいえすでに7割がたが埋まり、「中華隊!加油!」のコールが巻き起こっている。サッカーにこれだけ人が集まるのももちろん史上初であることは間違いない。

割れんばかりの拍手でゲームが始まったが、圧倒的な声援で完全アウェイのマレーシアは完全にビビりモード、というか慎重に引いて守っている。シャビエと陳柏良はさすがに存在感は大きく、またトラップとかパスの精度はお世辞にもうまいとは言えないが全員がエネルギッシュに走り回り、格上相手に試合を支配していて何度も好機を作る。しかしマレーシアの鋭いカウンターはやはり1日の長がある、開始4分でいきなりFKから先制弾を叩き込んだ。とられたらいけないのに~。はやくもこのゲームは3-1で勝たなければならなくなったぜ。一瞬気落ちした中華隊も気を取り直して再びシャビエ、陳柏良、張涵の3人を中心に気合が入ったプレーで攻めまくる。31分にマレーシアゴール前の混戦から張涵が押しこんで同点!ひょっとしたらひょっとするかもとわずかな期待が首をもたげ始める。
と、思ったのもつかのま前半40分にマレーシアのミドルが炸裂し、決定的な2点目が加わった。マレーシアは勝利を確信し喜びの輪が広がる。これで台湾は最低でも4-2にならなければならなくなってしまった。絶望的な2失点という事実が重く立ちふさがる。あ~あ…、場内も声が途切れため息が広がる。しかし、中華隊は何とか追いつこうと再び始まった大声援に煽られて精いっぱいのプレーが続く。そして終了間際ベトナム人主審の笛を味方につけラッキーなPKをもらい陳柏良が落ち着いて決め2-2の同点!となった。

あと2点! そして絶好のチャンスが後半17分に訪れる。中華隊の猛攻でエリア内で足がかかり再びゴール前でPKをもらったのだ。この天恵をキッカーの陳柏良はなんとはずしてしまう!こういうことだけはバッジョやジーコ並みだ。これで今度こそもうだめかと思ったが、この日の主審の虫の居所は相当マレーシアに対して悪かったらしく(けっこう遅延行為や不要なアピールが多かったからか)、後半30分になんと再びドリブルで持ち込んだ陳柏良がGKから足を払われPKをもらうという漫画のような幸運が訪れ、こんどはシャビエが慎重に決めた!3-2の大逆転!あと1点だ!


タイムアップのホイッスルが鳴ったとき両チーム全員が芝に倒れ込んだまま起き上がれなかった。この日の勝者は涙をのみ、敗者は薄氷の勝ち上がりで放心状態だった。
われらがチャイニーズ・タイペイ代表は、史上最高のゲームで、史上最大の観衆の前で、静かにそして早くもワールドカップの舞台に幕が閉ざされた。あのPKが決まっていれば、ロスタイムがもう少し長ければ…、それでも精いっぱい力を出し切ったことに選手たちは満足し、観客もサッカーの醍醐味を生まれて初めて体感したのではないだろうか、この国にとっては何かが変わる1日になったことは間違いが無い。

帰り際、スタジアムの近くの外国人御用達のスポーツバーに立ち寄り、からからののどを潤す生ビールを所望した。ビールを注いでくれた眼鏡美人の女性バーテンダーが、ニコニコ笑いながら早口の中国語で話しかけてきた。
着ているリバプールFCのポロシャツについて何か言っているようだが聞き取れなかったので「我是日本人、請説慢慢」(ゆっくりしゃべって)と聞き返すと、英語で「リバプールのでしょ!でも残念ながら私はマンチェスターユナイテッドのファンなの」とのたまう。まあ仇敵のファンであることはこの際許そう。この国もすこしは変わったようなことは確かなようである。いや~、わざわざ日本からやってきたかいがあった。眼鏡美人がお代わりを促す。

「今日は台湾も頑張ったよ。で、仕事は何時までなの?」


前宣伝もばっちり。


新装なった台北田徑場(台北フィールド)収容2万5000。


中華隊サポ続々詰め掛ける


いままでどこにいた?隠れメッシファン


大フラッグも用意


足球でこんな大観衆初めて観た


大健闘した代表に大きな拍手