2010年12月8日水曜日

国際ジャーナリストの“証言”


現在手伝っている競馬専門誌の仕事で国際ジャーナリストの手嶋龍一さんのインタビューに立ち会ってきた。
手嶋氏はNHKワシントン総局長として9.11テロを現地から長時間にわたって伝えてきたことで一気に有名になったのだが、NHK退局後はご自身の経験も生かし『ウルトラダラー』『インテリジェンス―武器なき戦争』と多くの話題作を書き、近著『スギハラダラー』も好評である。
その気鋭のジャーナリストがなぜ競馬?というと、実は知る人ぞ知る競馬ファンというかフリークなのである。

出身も北海道岩見沢で子供のころから生産者とのつながりが深く社台ファームの吉田一家とは家族ぐるみの付き合いだという。
この極東情勢が緊迫したなかで競馬の話でもないのではと思っていたが、快く応じていただけたのも逆にこちらが競馬の雑誌であったからこそのようだ。

実際のっけから“競馬ファンと言われるのが嫌というわけではないけど、ファンというよりはもっと内側の人間、英語で言うとWittness=証言者とでもいうような立場ですから”とたしなめられてしまったほどである。
インタビューも現在の競馬会の抱える問題を中心に社台ファームとのかかわり、駐在員時代の競馬遍歴と競馬の奥深さまで実に幅広くまた熱が入ったお話しで、取材時間の1時間圧倒されっぱなしだった。

一見ソフトな容貌だが、なかなかどうしてさすがに修羅場をくぐってきた気鋭のジャーナリストだけに、その一つ一つの言葉に迫力と説得力があり、また現在は大学で教べんもとられていることもあるからか取材側が教えられる学生のごときで、すっかり勉強になりました。

しかし国際ジャーナリストへの取材で、まったく国際情勢が話題に出ないというインタビューも珍しいというかなんというか…。

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