2013年6月17日月曜日

勝利と敗北

15日、快晴の秩父宮ラグビー場でウェールズ代表を迎えた、エディー・ジョーンズHC率いる日本代表は。1週間前に花園で惜敗したが、第2戦となるこの日は必勝を期して挑んだ。ブリティッシュライオンズの遠征でチームの主力を欠くものの、やはりそこはIRB常任国の一角を占める強豪だけに、わがジャパンが正直どこまでやれるのか、不安と期待が入り混じった気分で会場に赴いた。というのも75年の国立で82対6で大敗した試合を見せつけられたイメージがあるだけに、当時に比べて長足の進歩があるとはいえやはり格上へのチャレンジということに変わりないし、75年の悪夢の再現だけはしてほしくないという気分だった。
試合は、立ち上がりから圧倒的なパワーで攻め込まれたが、ジャパンの低いタックルとゴール前の粘り強いディフェンスでなかなかゴールラインを割らせない。闘志あふれるジャパンの攻守にやがてウェールズも受けに回りだし、SH田中の素早い展開で立て続けにトライ、終わってみれば23-8と差をつけてノーサイドを迎えた。
ウェールズから13度目の対戦にして初めての勝利!
ラグビーも長く見てきたが、71年のイングランド戦の3-6の試合、89年のスコットランド戦の初勝利と幸運にも日本ラグビー史に残る試合すべてに立ち会えたことになる。

この歴史的快挙の同日、深夜にサッカー日本代表はコンフェデレーションカップでブラジルと対戦した。ラグビーを見た勢いで、この試合にも日本の健闘を期待したが、結果は立ち上がりのネイマールのスーパーゴールに度肝を抜かれ、なにもさせてもらえないままに0-3で敗北した。ラグビーという競技ほど番狂わせは起きにくいといわれるが、強い気持ちで勝利をつかんだジャパンに比してこの日のサムライブルーは、本当に世界との実力の差をまざまざと見せつけられたようで、文字通りブルーな気分に陥ってしまった。

明暗分けたフットボールの両代表だが、ジャパンの次戦はカナダとアメリカ。ここで負けたらウェールズの勝利の意味が問われてしまうということで、プレッシャーはかかる。サッカー日本代表はイタリアとメキシコ戦が控え、ここで落ち込んでばかりはいられない。世界を驚かすという宿題を背負った両代表の、魂の試合を期待したい。

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