2012年8月13日月曜日
ロンドン五輪を観ていて
17日間にわたったロンドン五輪もいよいよフィナーレを迎えた。
今年は、仕事で久々に雑誌の五輪特集にかかわったので、いつも以上に結果が気になってテレビの前に居る時間が多かった。特に大会後半になって個人的に応援していた選手たちの活躍はうれしかった。
陸上男子10000mと5000mで2冠を達成した地元イギリスのモハメド・ファラーは、JICAのフェイスブックキャンペーンで記事を書かせてもらったが、ソマリア移民の出自で、彼の活躍がどれだけ内戦と飢餓に苦しむ人々に力を与えたことか。日本選手が予選敗退していたため話題にこそならなかったが、BSのライブ中継では手に汗握りながらデッドヒートに声をからした。
またボクシングミドル級村田涼太の金メダルは、ボクシング界にとって東京五輪以来48年ぶりの快挙だったが、実況アナウンサーも語っていたが、その東京五輪の金メダリスト桜井孝雄氏は、今年の1月に他界されている。
いまから40年ほど前になるが、予備校に通っている頃、高田馬場栄通りにあった桜井氏が経営するスナック『メダリスト』によく通った。店内に等身大に引き伸ばしたファイティングポーズをとる桜井氏の写真は格好良かったが、お店はなんとなくうらぶれ感があって引退した元栄光のメダリストの行く末としてもの悲しさを感じたのを思い出す。当時のバンタムはF原田はじめ強豪ぞろいで東洋は取ったものの、ライオネル・ローズやルーベン・オリバレスに敗れ世界には手が届かなかったこともあってその後すっかり忘れられた存在だった。村田の金メダルで久しぶりに桜井氏のことや東京五輪の記憶が呼び覚まされた。
村田の偉業には感動したが、早くもプロ転向が噂されているし日本では珍しい重量級の逸材だけに、プロ側もほうっておかないだろう。偉大な先輩がプロで果たせなかった夢をぜひとも実現して欲しいものである。
今回のロンドン五輪は序盤の日本選手の不信もあったが、終わってみれば史上最高のメダル数(金は少ないが)でそこそこ盛り上がった。何十年ぶり~、というフレーズもよく聞いたことからも若い世代の健闘はたたえられてもいいだろう。特に女子サッカーなでしこジャパンは、昨年のワールドカップ優勝の期待感でプレッシャーも大きかっただろうによくファイナルまで戦ったと思う。女子サッカーに関してはレベル的な問題もあってそれほど他人が騒ぐようにどうも熱くなれなかったのだが、宮間や沢はじめいつもながらのハートナイスなフェアな態度には感心させられたし、勝ってなお敗者を慮る彼女たちのメンタリティが世界の賞賛を浴びたことは本当に素晴らしいと思う。領土問題のプラカードをこれ見よがしに掲げる隣国の民度の低さと対比させたくもないが、スポーツ本来の意味を自分の娘(孫?)といっていいような若い彼女たちが範を示してくれたことに感謝したい。政治も経済もお先真っ暗な日本の未来へ一縷の救いを見たような気がした。
登録:
コメントの投稿 (Atom)
0 件のコメント:
コメントを投稿