2012年1月21日土曜日
これしきでSHAMEかよ
今年初の試写は16日に観た『SHAME‐シェイム』。NYを舞台にセックス依存症の男の精神の荒廃を描いた作品。主演のマイケル・ファスベンダーはこの作品でゴールデングローブ最優秀男優賞にノミネートされ第2のデイ=ルイスの呼び声高い気鋭の男優。セックスにとりつかれた男というマイナスイメージにもなりかねない難しい役どころに挑んだ。ちょうどゴールデングローブ発表の日だったがジョージ・クルーニーに持っていかれてしまったのがちょっと残念。
上映前のプレスで読んだ宣伝会社の煽りではなんだか公開が危ぶまれる程の描写ということで期待して(!?)いたのだが、さほどハードな描写があるわけでもなく、その辺によくいるむっつりスケベな男ぐらいにしか思えず、性情報が氾濫するわが日本の正々堂々たる猥雑さの方がよっぽどビョーキじゃないかと思えてしまう。でもマイケル・ダグラスやタイガー・ウッズみたいな有名人もこの依存症に苦しめられ、社会的問題にもなるほどなわけで苦しんでいる人も多いようなので、軽はずみなことは言えないのだが。
まあ、ファスベンダーがニューヨークのハッテン場をさすらうあたりに主題のSHAMEたるクライマックスではあったのだが、われらが園子温の方がよっぽど描写的にはショック度は大きいのではないか。
気に入ったのはファスベンダーの妹役の英国人女優のキャリー・マリガン。ちょっと体型が崩れ出したファニーなアラサー女を可愛らしく演じている。ファスベンダーに地下鉄内で目でナンパされるちょい役のルーシー・ウォルターズにもちょっとそそられた。もちろん映画の主人公のような劣情までは感じないけどw。
監督は大スターのスティーブ・マックイーンと同姓同名。2008年にIRAの活動家ボビー・サンズの凄絶な獄中闘争を描いたデビュー作『Hunger』が世界中の映画祭で激賞されたそうである。『SHAME-シェイム』にはさほど心動かされることはなかったが、むしろこちらのデビュー作が観たい気がする。
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