2008年9月4日木曜日

ROADSHOW お前もか


先日、某出版社幹部の友人を訪問したとき、今年の雑誌の売り上げデータを見せていただいたのだが、グラフは軒並み下降線を示していて本当に出版不況を実感した。友人によると特にこの3ヶ月来の売り上げが株価の暴落のように落ち込んでいるとため息をついた。

そんな矢先、何誌かの雑誌廃刊のニュースが相次ぎ、それも出版社にとっては歴史のある看板雑誌的なものも多く改めて友人の嘆きがリアリティをもってくる。
今年になって休・廃刊になった(なる予定の)雑誌をちょっと調べて見たら、
・NIKITA(主婦と生活社)・TITLE(文藝春秋)・BOON(祥伝社)・SESAME(角川SSコミュニケーション)
・Zino(KI&Company)・広告批評(マドラ出版)・Log-in(エンターブレイン)・主婦の友(主婦の友社)
・Gauguin(東京ニュース通信社)・ランティエ(角川春樹事務所)・Bagle(学研)・駱駝(小学館)・週刊ヤングサンデー(小学館)・REINA(KKベストセラーズ)・論座(朝日新聞出版)・KING(講談社)・Style(講談社)・PLAYBOY日本版(集英社)・ROADSHOW(集英社)・月刊現代(講談社)・BOAO(マガジンハウス)・GRACE(世界文化社)・マガジンZ(講談社)

と、ざっとあげたところだけでもこれだけの雑誌が無くなってしまう(しまった)。

なかでも個人的には老舗の映画誌『ROADSHOW』が11月発売号を持って休刊するニュースを聞いて感慨深いものがある。90年から4年間にわたって映画雑誌の編集長をしていたことがあっていわばライバル関係にある雑誌だった。その頃はすでにかつての勢いは無かったがそれでも『ROADSHOW』は類誌ではナンバー1の部数でわれわれの目標でもあった。というかなによりも中学生の頃、洋画にはまりだして『ROADSHOW』のキャサリン・ロスやジョアンナ・シムカスのピンナップ欲しさにずいぶんと買わせていただいてきた思い出の雑誌である。

昨今の原油の高騰にともなう紙代、運送コストの大幅な値上げ、世界的な景気の後退感による広告減、雑誌が立ち行かなくなる要因はいくつか挙げられようが、やはり若い世代(そうじゃなくても)の活字離れによる部数の落ち込みが根底にあるのだろう。特に『ROADSHOW』のような雑誌はネットやモバイルなど情報の環境そのものが時代とともに大きく変化した部分が大きいのかもしれない。こうなってくると『ROADSHOW』に限らず情報系の雑誌の切り口は本当に難しくなる。
時代のせいといったら簡単なのだが活字を飯の種にしている身としては問題は切実である。
また、広告収入だけに頼って安易な企画で理念の無い企画を通してきた作り手の責任もあるはずである。
雑誌の休刊を惜しんだり感傷的になったり、仕事の減少を嘆く前にまず、今の時代に何が必要とされ、どんなものに共感を得られるのか、この不景気の中お金を出してまで欲しくなる情報は何なのか、個人的にもいまいちど気合を入れて考えなければならないだろう。雑誌の休刊は実際に何誌か潰してしまった過去の自戒の念も含め本当に他人事ではない。

4 件のコメント:

此花あかり さんのコメント...

おまんま食い上げ。
どうにかして! 秋山さんヾ(;゜曲゜)ノ

秋山光次 さんのコメント...

僕は客観的に自分を見れるんです。アナタとは違うんです。

なんていってる場合じゃないですな。

ask さんのコメント...

客観的に=他人事に
アナタとは=パンピーとは
という意味だったのすねー。

確かに、電話も音楽も画像も動画もおサイフもTVも携帯できると、雑誌は立ち読みで充分という気になりますね。そうか! 貸本屋の復活!? 雑誌立ち読みバーってのも?

秋山光次 さんのコメント...

askさま

携帯生活復活おめでとうございます。

雑誌立ち読みバー>いいかも
でも団体客は見込めないですね…。