2016年3月27日日曜日

ボッティチェリ展鑑賞


上野の東京都美術館で開催中の「ボッティチェリ展」を鑑賞。日伊国交樹立150周年記念、日本初の大回顧展と銘打っての開催ということで、楽しみにしていた。
'90年のイタリアW杯の時に、フィレンツェのウフィツィ美術館で「プリマヴェーラ」と「ビーナスの生誕」を見たときの感動は昨日のように覚えている。今回の展覧会ではさすがにその2点は来ないものの、同美術館のものでは「バラ園の聖母」「ラーマ家の東方三博士の礼拝」、「アぺレスの誹謗」。フィレンツェのパラティーナ美術館の「女性の肖像(美しきシモネッタ)」、ミラノのポルディ・ぺツォーリ美術館の「聖母子(書物の聖母)」、などが見どころか。
とはいうものの全78点の作品の中でボッティチェリ本人の作品自体は20点弱。あとは、彼の工房で(彼の手が入ったかもしれない)描かれたものと、彼の師であるフィリッポ・リッピや後年ライバルとなったその子フィリッピーノ・リッピの作品で構成されている。
謳い文句の割にはという気もしないでもないが、ボッティチェリはもともと寡作で、しかも石板とかに描かれた作品が多かったのでこれもいたしかたないのかもしれない。
会期終了も近づいた日曜日の午後だったので混雑はしていたが、やはり本物をまじかに見られるのは素晴らしい。
特に「アぺレスの誹謗」は彼が帰依していたサヴォナローラの弾圧の寓意がみられ、作品の出来も素晴らしいのだが、なかなか興味深く心に残った。

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