2013年4月17日水曜日

老人映画花盛り




今週の業務試写は英国映画『アンコール!!』(ポール・アンドリュー・ウィリアムズ監督)。『ブラス!』『フルモンティ』といった笑って泣かせる英国ハートウォーム音楽ものの系譜だが、今回は老人の合唱団のお話。合唱団といっても歌うのはマーサ&ヴァンデラス、チャカ・カーン、モーターヘッド、シンディ・ローパーといったノリノリの楽曲。演じるは英国の二大名優のテレンス・スタンプとヴァネッサ・レッドグレイヴというコンビ。夫婦愛に満ちた二人の微笑ましい関係もさることながら連れ合いを亡くす喪失感、息子とのすれ違う心象を描きながら、コミュニティに参加する老人たちの前向きさに心打たれる。そしてお約束のコンテスト参加の大団円での拍手喝采と泣かせどころも満載だ!

今年は『愛アムール』のジャン・ルイ・トランティニャンとエマニュエル・リヴァの老夫婦ぶりが話題になったが、テレンス&レッドグレイヴたちもなかなかどうして見ごたえのある老人ぶりを披露する。あの『コレクター』野郎が?あの『裸足のイサドラ』がか?と往時を知る人間にとってはその老けぶりはなかなかショックだが、こういう風にチャーミングに歳をとれたらと感じさせてくれる演技はさすが。三國連太郎ももう少し元気でいてくれたらスーさんとかじゃなくて晩年のハマり役がもっとあったのにとちと考えてしまった。それにしてもなんだか英国社会の老人問題に対するまなざしが日本より格段に優しく映る。彼らの間にも老老介護や団地の孤独死とかの問題はないのだろうか?

しかし最近は老人映画が妙に増えだした。これもやはり高齢化社会という世相が反映されているのだろうか。
今年も邦画の『ペコロスの母に会いに行く』も控えているし老人ものが今後ある種映画のトレンドになる様な気がする。

『アンコール!!』は6月28日よりTOHOシネマズシャンテにて公開。

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